見出し画像

人は本来アーティスト、存在そのものが表現しているということ(後編) 対談者:SATOWA MUSIC ウォン・ウィンツァン様

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote 編集担当 朝永です(^o^)

今回は先週お送りした、ピアニスト、作曲家でいらっしゃるSATOWA MUSIC ウォン・ウィンツァン様との対談の後編です!

前編では、ウォン様の音楽との出会いからNHKのために作曲された"feel”ができるまでをお伺いしました。

まだ前編を読んでいない!読み返したい!という方はぜひ前編を読んでから後編も読んでいただけると嬉しいです(*^-^*)


それでは早速、後編をご覧ください♪

※対談の本文は、2008年7月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。


人は本来アーティスト、存在そのものが表現しているということ

画像1

SATOWA MUSIC ウォン・ウィンツァン 様
ヒューマングループ 代表取締役 内海 和憲

内海:ウォンさんは音楽を通して、人生とか色々な考え方を表現されてると、音楽を聴いたときに感じました。私どもは、今でもまだ一流どころか、一歩手前で立ち止まっている状態ですが、一流を目指すというきっかけをウォンさんにつくっていただきましたし、オリジナルのCD WINDSPIRITを作ったり、コンサートをやるきっかけをいただいたりと、ウォンさんには非常に刺激を受けてきました。逆にウォンさんから見た私どもとの関わりなどで思い出とかありますか?

ウォン:懐かしいですね。あれは1995年でしたね。僕は企業のために曲を作るということはほとんどやっていませんでしたからね。業界にいたころはそれが仕事だったのですが、自分の音楽をやりはじめてからはそういう仕事は、業界から1歩・2歩・3歩くらい遠ざかっていたわけですが、内海夫妻にお会いしていろいろお話を伺う中で、熱い想いをもっていらっしゃるということがとっても心に響きまして、それだったら何か僕たちにも協力し合うことがあるかもしれない、何よりも<joy>という言葉を使われていたこと、<喜びを共有しあう>ということが僕たちのテーマでもあったので、それがそのまま何の違和感もなく、やらせてもらったような気がします。
でも一つのCDを製作するのにいろいろ大変なことがあるのですが、人が関わって一つのものを作り上げるプロセスというのはさまざまな学びがありますね。

CDに限らず、学校を経営していくうえでもまったく同じことがあるだろうし、人の関わりであったり、夫婦関係であったり、いろんな場所で僕たちは人間の深さというものを理解し受容するということを学ぶ、プロセスのひとつとしてこのCDはできたのではないかと僕は思いますね。
タイトルも「WIND SPIRIT」風の心、風の魂とついているけれども、まさしく僕たちのそのときの気分をそのまま表しているCDができたと懐かしく思いますね。あれから13年も経ってしまいましたね。

内海:本当にあっという間ですね。
今でも1995年6月1日に仲間うちでウォンさんのコンサートを開催したときのことを、鮮明に覚えています。
今回55周年を迎えた時に、家内と一緒にウォンさんにきてもらいたいね、でもウォンさんも有名になられてなかなか佐世保にはきてもらえないんじゃないかと、恐る恐るお電話させてもらったら、喜んできてくださるという返事をいただきとても嬉しかったですね。
佐世保にもウォンさんのファンの方がたくさんいらして、ウォンさんのコンサートを楽しみにされています。最近のウォンさんの音楽活動と佐世保に来られる思いなどを教えてくださいますか?

ウォン:そうですね。この音楽活動を40歳から始めてまだ20年経っていないのですが、まだまだやりたいことも残っていますし、今回佐世保に久しぶりに行かせてもらいますが、前回行ったときよりも少しは成長できている自分を見せれると思いますので、それをもって聴いていただきたいと思います。
佐世保には友人がたくさんいますので、久しぶりに皆さんに会いたいと思っています。
またコンサートに非常に適した500人くらいの響きの良いホールができたと聞いていますし、それもすごく楽しみですね。
これだけに限らずこれからもまた10年後、20年後に佐世保に戻って、そのときそのときの自分たちの成長を分かち合えたらいいなと思います。

内海:ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。
ところで、いろんな活動をされているなかで、地雷の犠牲者の方々を支援する活動をされていると伺いました。
その辺、少しお話くださいますか?

ウォン:僕は音楽活動をするプロセスでいろんな方にお会いしますが、中には平和活動をされている方や、家庭の問題DV家庭内暴力とかの問題に取り組んでいらっしゃる方とか、そういう社会貢献をされている方との縁がありまして、地雷の犠牲者たちを支援するCDを作りました。1999年のことで、もうだいぶん時間がたってしまいましたが。
「もしも地雷がなかったら」というタイトルがついているのですが、その当時13歳だったボスニアの少女が書いた地雷に関する詩に感銘を受けて、CDを作りました。そのCDの収益が、赤十字を通して地雷の犠牲者の皆さんの義足や義手に使われることになったのです。その後、ボスニアへ行きまして、地雷の状況を直接見てきました。

内海:素晴らしい活動ですね。
実は私の父も創業当時から少年院の子どもたちや、障害者の方の免許取得のお手伝いをしていました。
なぜ「ヒューマン?」と言われることが多いのですが、父のその精神を引き継いでいこうということで、ヒューマングループというグループ名をつけているのです。

ウォン:そういうお父様に恵まれていたのは仁徳ですね。
僕も家族に恵まれて、家族のサポートがなくしては今の僕は考えられないですね。
父親に対してもそうだし、家内に対してもそうだし、息子に対してもそうだし、兄弟に対してもそうだし、何をやるにしても人間というのは、他の人たちのサポートなしではありえないんですよね。
これはとっても大事なことだと思いますね。

内海:本当ですね。コミュニケーションがうまくいかないときというのは、仕事に集中できないし、何につけても一生懸命になれないんですよね。
家族を大事にしなきゃと思いながら、ついつい甘えて感情がさきにいっちゃうんですよね(笑)。

ウォン:感情というものはそれが喜びであろうが怒りであろうが、それを抑え込んでしまったときに本当の意味で表現ができなくなってしまうので、怒ったあとにごめんなさいと言うのはとても大事なことなんですね。でも怒りはやはり出さないと・・・。逆に言うと本当に深い愛情というのは怒りを表現できる人でないと本当の深い愛情も表現できないんですよね。

内海:なるほど、そうですね。
ウォンさんがいろんな曲をピアノで演奏されるとき、頭の中と体の表現はどういう感じになられているのでしょうか?

ウォン:ピアノの前に座ったときに、自分を解き放つ、人間というのは自我によって統制されていて、コントロールされている、そのコントロールを外す、自我に物事を考えたり、いい音楽をやろうとしたり、そういうことを一切やめて、無意識のなかにある情念、情動、今の自分に身をゆだねることができるようになると、いい演奏ができるようになります。
そのときには体と心と魂がひとつになっていくような感じ。自分が音でいっぱいになっている、音に満たされているという状態ですね。その状態というのは、喜び、JOYでありプレジャーであるんですね。
そういう体験はピアノを演奏しているときだけではなくて、日常で人に会う時も、仕事をするときも、そういうものが一緒に自分のなかであるようにしていきたいなといつも思っています。そういうときに自然と目の前に起こることや人との出会いは表面的ではない、本当に深い関わりができるのではないかと思いますね。

内海:ウォンさんを見ていますと、私も1/10でも、1/100でもいいから自分を表現できる何かをもっていたいなあと思いますね。
最近、人前でスピーチする機会が多いので、形は違いますが、スピーチでの表現を自分のトレーニングと思ってやっています(笑)。

ウォン:スピーチも音楽も同じですよ。
言葉は言霊っていうように、魂がこめられているかどうかってことでは、言葉も音楽も一緒です。
僕は、音楽とか絵とか関係なく、人は本来アーティストだと思います。
人間が生きているそのものが表現しているということなんですよね。
言葉もそうなのですが、そこに存在しているだけでも存在そのものがひとつの表現なのです。
例えば植物とかもそうですよね、誰に教わることもなく、いつのまにか芽を出して、茎になって葉になってつぼみをつけていつか必ず花を咲かせます。つまり環境と太陽と水と愛があれば、どんな人もいつのまにか臨もうと臨まないと関係なく自分の魂で表現をしているわけです。
その形というのはスピーチになるかもしれないし、音楽かもしれないし、絵かもしれないし、仕事かもしれないし、ボランティア活動かもしれないし、旦那さまのためにつくるお料理かもしれないし、その人が生きていること自体がいろんな表現になっていて、それを一言で言うならプレジャー、喜びを共有することだと僕は思います。
人は全員アーティストなんですよ。

ウォン・ウィンツァン氏プロフィール
神戸市生まれ。ピアニスト・作曲家・編曲家
1988年、瞑想体験を通して自己の音楽の有り方を確信し、ソロ活動開始。
1991年、自主レーベルSATOWA MUSICを発足。ファーストアルバム「フレグランス」がFMから火がつきロングセラーとなる。
NHKスペシャル「家族の肖像」のテーマを作曲し、話題となる。2000年、オムニバスアルバム「feel」に楽曲提供、ダブルミリオンヒットとなる。
2001年、ハイビジョン&NHKスペシャル「世界遺産 中国・九寨溝」の音楽を手がける。
教育TV「こころの時代」テーマ放送中。2007年日中共同映画「純愛」では音楽監督に魂をこめる。地雷犠牲者救護CD「もしも地雷がなかったなら」など音楽活動は多岐に及ぶ。

www.satowa-music.com


朝永のつぶやき

最後まで読んでいただきありがとうございます!ここからは、編集担当が今回のトークを読んだ感想をまとめたプチコーナーです(*^-^*)

今回は2週に渡ってウォン・ウィンツァン様と弊社社長 内海との対談をご覧いただきました。

幼少期の音楽との出会いから、自分の音楽スタイルを見つけてからの様々な活動、演奏されているときの気持ちまでウォン様について深く知ることのできる内容でしたね!

いい演奏をしようと意識したり、考え事をするのではなく今の自分に身を委ねることでいい演奏ができるというお話にはとても共感しました!

私も趣味で絵を描いたりしますが、無理にいいものを描こうとしているときほど満足いくものが描けません…(笑)やはり自分の気持ちのままに表現することが自分の力を最大限に引き出す鍵なのかもしれませんね♪

ウォン様の”人はみんなアーティスト、いつのまにか自分の魂で表現している”というメッセージを読んで、日々の行動や言葉の一つ一つが自分の今までを表現しているんだと感じました。

常に最高の自分を表現していけるように、仕事でも趣味でもどんどん自分をアップデートしていこうと思います!

それでは今回はこの辺で!また次回お会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?