冷蔵庫の関わる洋画、ベスト3

2位 「ハンニバル」(2001年 リドリー・スコット監督)

 キッチンで、司法省のクレンドラーに残酷な「お仕置き」をしたハンニバル-レクター(アンソニー・ホプキンス)が、後片付けをしていると、側にいたFBIのクラリス捜査官(ジュリアン・ムーア)は、突如レクターに襲いかかった。
 どっこい、レクターは逆にクラリスを取り押さえ、彼女の長い髪を冷蔵庫の扉で挟み、取っ手を壊して彼女を動けなくした。
「君が走るのを見るため、地球を半周回ってやって来た」
レクターのこのセリフで、この映画が、単に復讐が題材でなく、恋愛映画でもあることがわかる。初めての告白だ。
「君に会うため」でなく、「君が走るのを見るため」という点が気にいった。きびきび動くクラリスが好きなんだろう、レクターは。
 レクターは、念願叶ってクラリスの唇にキスをする。前作「羊たちの沈黙」では、彼女の指に触れただけだった。
 クラリスの目に涙が流れる。
 クラリスがファザコンであることを思い出すなら、ヴァージャー風に言うなら、「コーデル、あれは悔しい涙なのか?それとも、うれしいという涙なのか?」
 (女心は不可解ですから。熱心なレクターファンは、小説「ハンニバル」のラストを知っている)
 次の瞬間!

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