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太極拳☆『太極拳理論の要諦』を読んで

~套路と理論は、肉体と精神の関係~


総合太極拳の講習会で
受講生の一人が、
姿勢(少し後傾)を注意された時、
「 “虚領頂勁”を意識しても、
自分では正しくできているのか
わからないんだなあ~」とつぶやいた。

講師が背中に少し触れながら、
「四字熟語は難しい!」
「理屈よりも実際に体で試して、
感覚でつかむといい。」と言われた。

それから、機会があれば、
銭育才著『太極拳理論の要諦』という本を
一度、読んでみるとよいと勧められた。

この本は書店や図書館では見つからず、
中古本で手に入れた。
私には難しく感じられたけど、
本の中に、
“套路と理論は、肉体と精神の関係”である。
“理解の段階は、自分の立っている展望台が
高さを増していくと視野も広がっていく”
という説明があった。

この説明は、
教室の先生の日頃の言動と重なり、
印象的であった。

というのも、
先生は練習中に多くを語らず、
動作の説明や注意は簡潔である。

でも、定期的にメールやLINEを通して、
座学(知識・理論)を発信される。

初めの頃は意味がよくわからず、
読み飛ばすことが多かった。
後から読み返すと、
理解できることが増えている。

そんな時、
自分が進歩したようで、嬉しく感じる。

昨年の目標は、
“新しい套路をたくさん覚えること”だった。
それで、太極拳が上手くなると考えて、
楽しい気持ちで、体もよく動かした。

でも、この本を読んで、
太極拳の上達には、
遠回りしていたんだなあと気づいた。

質より量という感じで、
一つひとつの套路の完成度は低く、
太極拳の本質から離れていたように思う。

今年の目標は、
“24式太極拳をより正確に学ぶこと”である。

24個の定式だけでなく、
途中動作の動き、意識のあり方など
細かなことを丁寧に積み重ねていこうと思う。

最近、家でも教室でも、
正しい姿勢や足運び、手の動き、
基本を大切にしながら、
24式太極拳の練習に集中している。

今までと練習時間は変わらなくても、
腰が痛くなり、効いているなあ~と感じる。
練習後、
のんびりと湯船に浸かるのが楽しみである。

《太極拳の高嶺へと至る最短の道とは?》 
若い頃、私は太極拳の道を求めていました。
しかし正しい道へ入りませんでした。
技だけを求めてしまったのです。
漫然とした套路の練習だけで極意に到達できるとは信じられず、
はじめは推手も単なる技術と思っていました。
そして技だけを求めて、二十年を無駄にしました。
考え方が全く異なるのです。
技の問題ではなく、考え方の問題なのです。
だから経典に戻るしかありません。

私は一介の太極拳愛好者に過ぎませんが、
自らの失敗を通して、
太極拳の高嶺へと至る道がようやく見えてきました。
本書には、そんな私が経験から得た、
実際に効果の上がった知恵や工夫が盛り込んであります。
さあ、一緒に太極拳の高嶺を目指そうではありませんか!  銭育才

ー『太極拳理論の要諦』より




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