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就活生だった自分へ 【女性の就労】


ある日のワイドショー 「年金納付期間の延長」

ワイドショーで「年金納付期間が従来の60歳から65歳まで5年間延長される」というニュースが取り上げられていた。
個人的には、年金の話は総括すれば「受給年齢を65歳に引き上げた時点で納付も引き上げるのはそもそも既定路線、受給も納付も一気に引き上げると炎上するからとりま受給を先にやっただけ。計画通り納付の件もやっていきますが、皆さん反発すると思うので(お作法として)丁寧な説明はしますね。」という、負担増で苦しいという国民感情を脇に置けば、起きていることは至極単純な話だと思っている。
(※今回は年金納付延長の是非を論じたいわけじゃないです。)

物事には全て何かしらの意図がある

「今更なにを当たり前の事を」と言われそうだが、社会に出て過ごすまで、この「全ての物事には、必ず誰かの目的がある」事実を本当の意味で理解できていなかった。
また理解した今でも、物事の裏にある思惑に鈍感な自分を反省することも多い。
理解することと出来ることが違うように、分かってはいても、誰かの思惑に実際に鼻が利くこととは別なのだ。
年金の話もそうだけど、事が動く時、または誰かが事を動かす時は、その出来事の先にやりたい事が必ずある、しかし、それは往々にして具体的に分かりやすく示されることはあまりないということだ。

無料サービスの先にあるもの

yagishっていう履歴書無料作成ツールが流行っていて、学生含めて利用者が多かったそうだが、鼻が効く人はなんで無料?となるし、リテラシー高い人は個人情報だし怖いな…となる。そうこうしてたら履歴書データを活用した求人オファーサービスが開始されたということで、ここが本筋やりたかった事だ。
(※オファーを貰いたい利用者にとってはお互いwin-winなので、サービスを批判するつもりは一切ないです。)

教育現場やメディアで触れる「女性の労働」

例えば、公民の授業では男女雇用機会均等などの文脈で男女別労働率グラフをみてM字カーブ問題を習う。生涯年収の差もよく取り上げられるし、目にする機会も多い。
「一度離職することで、生涯賃金の差は◯億円」「単身高齢女性の貧困」「女性は出産育児を経ても労働市場から出ずに稼ぎ続けるべき」
この記事では、都が女性の就労パターン別に生涯年収の試算をしている。
このような情報にたくさん触れ、女学生は危機感をつのらせて労働市場へ飛び込んでいく。

気をつけたいのは、【賃金】【就労】=【幸福】という図式が全てではないこと。そして女学生の自分は【賃金】【就労】がまさにこの世の全てのように感じてしまっていた。視野が狭かったといえばそれまでだが、生涯年収2.5億円の裏には、等価交換で相応に支払うコストがある。時間、労力、そしてメンタルを削って手に入れた金額。お金と引き換えに失うものの大きさは、このような文脈で語られる事はまずない。

生涯賃金と引き換えに失うもの

JTC(Japanese Traditional Big Company)は特にそうだが、上役はほぼ男性。ともに働く同僚や上司の男性は、家族を養う事に全集中して色々な事を割り切ったタフな人が生き残っている。その『割り切り男性』と同等の戦力とコミットを当然求められての仕事な訳だが、女性は「仕事でどんなに体や心が削られても、家族を自分が養っている事実や、組織の中での昇進が出来て出世欲が満たされれば満足」という価値観を持つ人は少ないだろう。
またそこで戦いながら出産育児に前向きなマインドを持つ事は余程考えにくい。両親を頼れる環境があればその両親、プラスで、(「子持ち様」と揶揄される原因だが)職場の同僚や後輩を文字通りフル活用しないと乗り越えられないだろう。
そういった社会の真実を早々に察知した人は、例えば【女性枠】として配慮して貰える企業の一般職をはじめから希望したり、専業主婦が可能な配偶者候補を若いうちから真剣に探したり(正しく頼るために)、はたまた性差に依らない専門資格取得に励んだりする。

「女のする仕事じゃない」

大学4年の夏、就職先の話をした当時、社会人の先輩がポロッと言った「女のする仕事じゃない」。
OG訪問した時の女性社員がポロッと言った「この仕事でずっと働き続けることは考えてない」。
トヨタ総合職でバリバリ海外出張して働く先輩がポロッと言った「仕事は充実してるけど、虚しい。」
数歩先を歩く先輩たちがポロッとこぼしていった一言。
その一言の意味するところが、言わんとする景色が、分かった。

「1億総活躍」の本音

日本はバブル崩壊後すっかり衰退の一途を辿り、もはや女子供、爺さん婆さんを十分に養う体力はない。正直、ダイバーシティの男女平等は建前で、別に国は「あなたたち女性のために、あなたたちに活躍の場を」という事は、一切思っていない。男女格差があっても日本社会が経済的にうまくいっていたら、特に問題にしないのだ。コロナ前にリモートが全く浸透していなかった事と同じだ。その頃にもリモートでないと仕事がしにくい立場の方は居たが、全く問題にはされなかった。なぜならそれを無視しても、経済がうまく回っていたからだ。
そして今、女性活躍・シニア活躍を叫ぶのは、国の労働力が圧倒的に足りないので、女性やシニアを【活用しないとままならない】からなのだ。

私が望む「私の言葉」

「霞を食べて生きてはゆけぬ」は最もだし、「自分で自分を養う」ことは生きる限りついて回る。ただ、そのシンプルな事実を、何重にも重ねられた顔も見えぬ「腹を隠した他者の声」によって、必要以上に大きく捉えているのであれば、一度、忘れて良い。
周囲を煽り駆り立てる「他者に都合よい」言葉ではなく、「自分が望む言葉」に素直に従いたい。
例えば、自分を養う方法が、親の資産を貰うであれ、自分の肉体を使って生み出す賃金であれ、実際はなんでもよいし、養う状態も人それぞれ、「こうあるべき」も存在しない。
それは本当に私が望む「私の言葉」か、それとも他者に教えられた「他者の為の言葉」か。
「私の言葉」は容易に「他者の為の言葉」に書き換わる、脆いものだ。なぜなら、誰も「私の言葉」を擁護してくれない、発するのも聞くのも私だけだからだ。また、大抵「私の言葉」は、他者には黙殺される。他者にとってはどうでも良いし、利用価値はないからだ。
言語化できない感情、口に出したとて他者を納得させることはできないそのモヤモヤした感情が赴くままに、やりたいままに、させてやろうじゃないか。

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