四聖諦 ⑰
アチャン・チャー
ブッダの在世時、一部の弟子たちはブッダの存在を疎ましく思っていました。ブッダは自分の弟子たちに、勤勉であること、不放逸であることを求めました。そのため、怠け者の弟子たちは、ブッダを恐れ、嫌っていたのです。ブッダが般涅槃したとき、一部の弟子たちは自分たちを導いてくれる存在がいなくなったことを知り、嘆き悲しみました。別のグループの弟子たちは、自分たちを叱る存在がいなくなったと考えて喜び、安堵しました。第3のグループの弟子たちは、平静を保っていました。彼らは、生じたものは必ず滅するのだと、理解していたのです。皆さんは、この三種類の弟子たちのグループのうち、どれに入りますか? ブッダが亡くなったことを、喜ぶグループに入りたいですか? ブッダが亡くなったとき、嘆き悲しんだ弟子たちは、まだ悟っていませんでした。ブッダが亡くなったことを喜んだ弟子たちは、普段からブッダに対して不満を抱いていた人々です。ブッダはいつも、彼らのやりたがることを禁じていましたから。彼らはいつも、ブッダに叱責されることを恐れて生きていました。ですから、ブッダが亡くなると、安心したのです。
今日でも、こうした状況はあまり変わりません。皆さんの中にも、自分の瞑想指導者を嫌っている人がいるかもしれません。表面に態度としてあらわす人はいないかもしれませんが、心の中でそう感じている可能性はあります。煩悩がまだ残っている人が、そうした感情を抱くのは普通のことです。ブッダでさえ、一部の人々からは憎まれていたのです。私にも、私のことを嫌っている弟子たちがいます。私は彼らに悪行為をすることをやめるように言いますが、彼らは悪行為をすることが大好きなのです。ですから、必然的に私は彼らから嫌われることになります。そのような弟子は多いです。今日、この話を聴いている皆さんは聡明な方々でしょうから、しっかりとダンマを実践してくれることを期待いたします。
アチャン・チャー『Living Dhamma』より
"Living Dhamma", by Venerable Ajahn Chah, translated from the Thai by The Sangha, Wat Pah Nanachat. Access to Insight (BCBS Edition), 30 November 2013, http://www.accesstoinsight.org/lib/thai/chah/living.html .