瞑想入門 ⑬
アチャン・チャー
仏道修行においては、気づきだけでなく、正知も重要です。サティとは、今生じていることに気づくことであり、サンパジャンニャとは、今生じていることを明晰に理解することです。今、あなたは自分の呼吸に対して明晰に気づいていますね。呼吸を観察する瞑想は、気づきと正知の双方を養うのに役立ちます。気づきと正知は、それぞれ異なる役割があります。とても重い板があることを想像してみてください。一人では、とても持ち上げることはできません。そこに、二人の労働者が現れます。これが、気づきと正知です。二人なら、何とか板を持ち上げられるかもしれない、と挑戦します。何とか持ち上がりそうですが、それでも少し、力が足りません。そこに、もう一人の労働者が応援に駆けつけます。それが、智慧です。私たちに気づきと正知が備わっているとき、同時に智慧も自然に生じ、修行をサポートしてくれます。気づきと正知と智慧は、互いに支え合った存在なのです。
(続く)
アチャン・チャー『Living Dhamma』より
"Living Dhamma", by Venerable Ajahn Chah, translated from the Thai by The Sangha, Wat Pah Nanachat. Access to Insight (BCBS Edition), 30 November 2013, http://www.accesstoinsight.org/lib/thai/chah/living.html .
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