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今日もなにも起こらなかった…?
パーマをかけてイケメン気取りのおれだが、
パーマをかけたからといってモテるということはなかった。
今日はほとんどずっと家にいたし、そもそも外に出たからといって、セクシー巨乳童顔美女がおれにいきなり告白してくることなど、あるはずもない。
世の中そういうもんだ。
大きなイベントやとんでもないラッキーなど、そう滅多に起きるものではない。
人生の9割以上が「なんでもないただの日常」、それでいいんだ。
毎日毎日世界がひっくり返るような出来事が起きてたら、それこそ体と精神がもたんだろ。
おれは「パーマかけてもなんも変わらんなぁ」「つまらんなぁ」「ずっとこんな退屈が続いていくのかなぁ」なんて気分が沈みそうになったけど、ちょ待てよ。
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「なんの変哲もない日々が永遠に続いていく」
おれのその認識は正しくない。
おれはきっと、小さな変化を見逃している。
見逃しまくっている。
おれの目は節穴だ。
昨日と同じ日なんてない。
おとといと同じ日なんてない。
おれは生まれてこのかた、だいたい18700日くらい生きてきた(はずだ)が、その18700日の日々は、全部がそれぞれ違っている。
まったく同じ日なんて、一日たりともなかった。
何かが違う。
何かが変わっている。
おれはそれを見過ごしているだけ。
変化に気づいていないだけ。
だから毎日を「同じような一日」と捉え、
いちいちガッカリしている。
そうじゃねえだろ。
気づけよ。
小さな変化に。
もっと感じろよ。
昨日とは違う自分を。
実際昨日のおれはまだパーマをかけてなかった。
今はモジャモジャになってる。
変わってるだろ。
昨日と同じおれじゃない。
おれはパーマをかけてる。
その変化を変化と捉えられなかっただけ。
パーマ以外にも、おれは細かいところが昨日とはぜんぜん変わっている。
おれはその変化をみすみすと見逃していた。
もったいない。
せっかく生きてるのに。
目があって、鼻があって、耳があって、舌があって、手も足もある。体がある。心がある。
それなのに自分の変化に気づかない。
気づこうとしない。
鈍感であることに慣れてしまっている。
自分に興味を持っていないことを許してしまっている。
それがなによりも寂しい。
noteや会社で、
「みてみて!おれのこと見て!」
「ぼくすごいよ!」
「こんなこともできるよ!」
ってアピールする前に、
おれがおれを、ちゃんと見てあげたい。
おれがおれの、小さな変化に気づいてあげたい。
そしたら
「今日はなにもなかった!」
なんて不適切なセリフを言って嘆くこともない。
今日はなにもなかった、
なんの変哲もなかった、
なんでもない日。
それは本当かもしれないけど、
今日もやっぱり、特別な日。
毎日毎日、自分を愛していきたい。