【私の障害(言語障害 メル友編) その3】

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 今まで書いてきたことは、私を傷つけるものでしたが、これらに増してひどい出来事が起きました。父が大学病院に認知症の検査を受けに行く前日、ミクシィである精神疾患のある女性と知り合いました。そして、通院日に父の順番を待っているときに「今夜電話で話しませんか」と彼女からメールが届きました。電話嫌いであった私は渋々ながら了承し、夕方彼女からの電話を待ちました。

 夜になり、彼女から携帯の方に電話が入りました。何について話したかについてはもう忘れてしまいましたが、私に言語障害があるため、何回も聞き直されたことは覚えています。その晩は一応彼女と電話で話せて安心して寝られました。

 しかし、翌日ミクシィを開き、彼女のページを見てみると、意味不明で摩訶不思議な投稿がありました。それは「昨夜、悪魔と話して怖かった」と。私は一瞬どぎっとする一方で、これは一体どう言うことと思い、この投稿の真意を確かめるために彼女にメールをしました。すると、思いもよらない回答が戻ってきました。なんとそこに書かれてあったこととは、彼女が言う悪魔というのは、私であったことです。私はなぜ彼女がそんなことを言っているのかわかりませんでしたが、思いつくことと言えば、言語障害。携帯電話から会話をすると固定電話以上に聞き取りにくくなります。そのために、彼女は悪魔という表現で私に言語障害を表したのでしょう。

 それにしても、電話で話す以前に私は彼女に言語障害があることを伝え、「それでも電話で話そう」と言ってきたのは彼女の方です。悪魔という表現をするなんてあまりに酷い話ではないかと思い、このようなことを言われたと電話で話すに至った経緯をミクシィに投稿しました。すると、ほかの方々から「あまりにひどくはないのか」とコメントが寄せられました。

 それからも何回かメル友になった方と電話で話しましたが、聞き取れにくいとは思いますが、ごく普通に会話をし、会話をした後も以前とは変わらず接して下さります。ですから、これは私の推測にすぎませんが、彼女が「電話で話そう」と言ってきた時点から、私を陥れようとしたのではないかと思うようになりました。

 このように言語障害に関わる事柄について書いてきました。どれひとつ取っても愉快なこととは言いがたいものです。以前「障害は不便であるが、不幸ではない」とバッサリと切り捨てた三つ股、四つ股かけ不倫をしていた乙武氏は仰っていましたが、やはり私以外にも障害があることで苦々しく思うものもいると言うことをもっと多くの方々に知ってほしいです。

 「愛は地球を救う」で頑張っている障害者を取り扱っていますが、障害者が皆頑張っているわけではなく、頑張ろうとしても頑張れない障害者が少なくありません。むしろ、そちらの方が主流なのではないでしょうか。

 マスコミは頑張っている障害者やひょうひょうと生きている乙武氏にスポットを当てようとしますが、そのように生きられない障害者にも注目してほしいです。

 健常者にもいろんな問題を抱えながら生きている方がいるのと同様に、障害を持っている方々も様々な問題や多くの苦悩を抱えています。私のように比較的暗い陰の下でもがき苦しんでいる障害を持った方々がいるという事実を知らなければ、健常者と障害を持った方々と共に生きていく共生社会は築けないのではないでしょうか。
                       (前へ)                   (了)

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