アーケードゲーム「サーカス」のファンファーレの元ネタは何か?
先日鴨川の駅前で飲んだときに若い店主から、私が育った某団地のショッピングセンターが撤退して荒れ地になっていたが、最近そこらを再利用して活性化しようとしている(というか安い家賃で遊んでいる)若い人たちがいるという話を聞いた。にわかには信じがたい。
なんでそんなところで彼と話がつながるのかは脇に置いて(せんどうがヤオコーに買収された話でも盛り上がった)、そこで記憶の奥底から引き出されたのがアーケードゲームの「サーカス」である。
若い人たちはYMOのデビューアルバム冒頭の「コンピューターゲーム」というトラックで聞いたことがあるかもしれないが、あれは実は街角に置かれたアーケードゲームの中で使われていた音楽を引用-というかそのまんま転載-したものだった。いや、正確にはコピーなので「翻案」とでもいった方がいいのだろうか。
「サーカス」は1977年にアメリカで発売され、日本ではタイトーが輸入したらしいのだが、それがなぜ70年代終わりにあんな郊外のショッピングモールの隅に置かれるようになったのかは分からない。
その経緯だけ調べても結構面白い話になるのかもしれないが、残念ながらいまはその余裕はない(というかいまこれを書いている余裕も本当はない)。
ふと気になってGoogleで「アーケードゲーム サーカス 音楽」で検索してみると、「アーケードゲーム「サーカス」(1977)で使われている楽曲」というnoteが引っかかった。
指摘されていたのは、シーソーで着地し損なって死んだときの音楽にショパンのピアノソナタ「葬送」が使われていることと、もうひとつ、「風船を一列割り終えた時のBGM」が紹介されていて、それが「Ta-ra-ra Boom-de-ay」という曲だという。
この指摘自体も興味深いものだったが(私も初めて聴いた)、まだ「誰も触れてない」フレーズがもうひとつあって、それはnoteの筆者も解決していないことを認めている。
このフレーズとは「DD-EDE-F#」、つまり「レレーミレミファ#ー」というものだ。「ドドーレドレミー」でもいい。
これは極めて単純なラッパのファンファーレを再現したもの、と聞くこともできる。ぴったりあったものがないので、20世紀FOXのファンファーレでも貼っておくか。
一方で私は、これはそんな単純なものではないのかもしれない、という気にもなっている。それでは、ラッパのファンファーレじゃなければ何なのか。
私はこれは、ストラヴィンスキー「春の祭典」の終曲の最終部分でトランペットが吹くフレーズじゃないのかな、と思う。実際、小学生のとき「春の祭典」のラジオ放送をエアチェック(懐)して繰り返し聴いたときに「あれ、ここサーカスの音楽に似てるな」と思ったのだ。
「選ばれし生贄の踊り」がクライマックスを迎えるときに吹かれるファンファーレが妙にコミカルであり、それが曲の凄惨さを強調するわけだが、その音形が全く同じ「DD-EDE-F#」になっている。これは偶然なんだろうか。例えば、以下の動画の2分35秒から。妄想?
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