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こどもとおとな ななめの関係

好きなものを披露し合うと、なんだかその人が今までよりも近くに感じたりしませんか。その好きのなかにある、小さなキラキラに、自分と似た色を見つけたりなんかして

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今のわたしになるまでに、大きな影響を与えた人がいました。その人が好きだと言った人、漫画、映画、本、生き方。あらゆることに今も影響を受けています

こどもの頃からこども扱いしてくれない人でした。そのかわり、軽く呟いた愚痴にもきちんと耳を傾けて「それはそういうもんだ」とか、「それはその子がいけないね」とか、1人の人間として対話してくれる数少ない大人で。いや、もしかしたら唯一だったのかもしれません

笑福亭鶴瓶、さだまさし、じゃりん子チエ、クッキングパパ、西原理恵子…

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この顔ぶれが並んだ時に、こういう感じが好きな人って、なんかいい子ちゃんっていうか、真面目な感じよねーって、知らない人ならそう思ってただろうなーとおもうんですけどね

「好きな食べ物なに?」って世間話のつもりで聞いたら、「そんなんその時によって違うからわからへん」って普通の顔してかわいくないこと言う人でした。リアリストだったんだろうなぁと思います

その人は母の妹でした

こどものいない夫婦で、大量のぬいぐるみに名前をつけて、旅行には必ず誰か1人連れて行って、若い頃には出先で旦那さんと喧嘩して、アライグマのサダキチに巻いてるスカーフに500円玉が入ってるから帰ってこれるだろうって旦那さんを置き去りにして帰ったり、そうかと思えば出会って20年は経ってる旦那さんと、お墓参りの途中「空がキレイ」と目が合っただけで微笑み合ったり…

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きいこと呼んでいたその人は、肺の胸膜のガンを患い、今はもういません

調子が悪くて何度か入院して、気づいた時にはステージ4で、そこからは残りの生活を豊かに送りたいと、闘病せずホスピス生活を選び、お葬式のかわりにお別れ会の準備を自分でこなし、入るお墓の手配をし、旦那さんの次の伴侶の心配までしながら、最後まで「生きて」いました

料理上手な彼女に「どうやったら料理うまくなれるん?」ったら聞いたらね、「おいしいものを食べること」って教えてくれました

もう亡くなって15年以上経つのに、ぜーんぜん思い出が薄れなくて、あぁ大人になってからきいこと色んなことしゃべりたかったなって今でも思います

小さな頃から唯一の、親子のタテや友達同士のヨコではない、ナナメの関係の大人で、こういう間柄の人がこども時代にいてくれたってすごいすごい財産だなぁと思うのです

彼女の視点を興味を持って観察しながら、ちょっとずつ成長したことが、今の自分の一部を作ってくれているような

そんな人が好きだと思って生きていたら、おかげさまでまわりは愛すべき変人がいっぱい

生きてたら、今こうしてハグリードをやってるわたしを見て、ふうんって言いながら、ちょっと興味を持って質問して来たりするんだろうな

まわりの変な人たちとの出来事も、くすくす笑いながら聞いてくれたんだろうな

そうか、きいこはずっと、わたしの話を聞いてくれる大人だったのか

小さい人のおしゃべりも、おもしろく聞けるおとなでいる

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そうするとやっぱり、前回紹介したこの本につながってくるんだよな

なんでここ最近、きいこのこといっぱい思い出すのかなって思ったら、そういうことかぁ

雑記。




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