『ハンニバル』 午後ローを予習する。
本日の午後ローには背筋も凍る殺人鬼が登場しますよ。おそらく映画史上もっとも有名なシリアルキラー、ハンニバル・レクター博士の登場する『ハンニバル』でございます。あ、もちろん個人的な見解です。アメリカ、イギリス、イタリアの合作映画。二〇〇一年の作品。
主演は『羊たちの沈黙』から引き続き、アンソニー・ホプキンス。ちょっとお腹が出ているのはご愛敬だ。人気の高かったクラリス役は、ジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに変わり、ちょっと強そうになった。他にもゲイリー・オールドマンがほとんど原形をとどめていない姿で登場する。
個人的に嬉しかったのは、バーニー役のフランキー・フェイソンが変わらず出演していたところ。調べてみたら『刑事グラハム/凍りついた欲望』にも役は違えど出演されていたんですね。すげえや。
それから先日急逝されたレイ・リオッタもかなり良い役どころで出ている。クライマックスの食卓シーンは映画史上に残るかも知れないし残らないかも知れないけれど、少なくとも記憶には残るし、できれば食事中には観たくないだろう。もちろん午後ロー放送版ではそのあたり配慮されているに違いないので安心だ。たぶん。
監督は『エイリアン』『ブレードランナー』『ブラック・レイン』など代表作が数え切れない名監督リドリー・スコット。音楽はこれまた代表作が星の数ほどあるハンス・ジマー。さらにはイタリアでのロケとかなり豪華。いやあ映画ってホントいいものですね、という声が聞こえてきそうな布陣だ。
僕は映画を観るより先に原作を読んでいて、とにかく人の記憶にこれでもかと食い込んでくるディティールの圧力に圧倒されてしまったのだけれど、映画はそういったエグい場面が厳選して再現されており、良かったです。
あと結末に関しても原作より映画の方が、しっくり来るように感じた。
個人的に。
今作以降も、レクター博士の人気はとどまるところを知らず、二〇〇二年には『羊たちの沈黙』の前日譚にあたる『レッド・ドラゴン』が、二〇〇七年にはレクター博士の若き日を描いた『ハンニバル・ライジング』が作られている。さらに二〇一三年にはマッツ・ミケルセン主演でドラマシリーズ『ハンニバル』も作られた。こちらはお料理番組としてもおすすめである。嘘である。