マガジンのカバー画像

小説、ショートショート

10
たなかひゅうごの書いた小説、ショートショートの置き場所です。
運営しているクリエイター

#小説

僕の考えた超人

 僕の考えた超人が殺された。  自由帳を切って束ねてとじた小冊子。それを持つ手が震えてい…

Hugo Tanaka
1か月前
31

『鍋を』

 鍋をやらねばならぬ。  ひとりで。誰の手も借りずに。絶望。それ以外の感情。どろどろとし…

Hugo Tanaka
1年前
6

平成十五年・ガンスリンガーズ

 一九六八年の十月二十一日。その日は国際反戦デーとやらで、僕の父親は、数千人規模の集団と…

Hugo Tanaka
1年前
28

ドラゴンを、誘拐する

 もう十年以上前になるかなあ、新宿にある『ぼるが』って居酒屋で呑んでた時の話なんですけど…

Hugo Tanaka
1年前
31

ある朝と針たち 【掌編小説】

 目覚まし時計が鳴らなかったらどうしよう。心配だ。  結局七時に起きるつもりが五時半には…

Hugo Tanaka
2年前
9

クラス・オブ・37564/虐殺教室

 銃声。  俺の目の前で、クラスメイトが撃たれた。名前はジャニスいやトレイシーだったか。…

Hugo Tanaka
2年前
15

ウルトラハッポーブレインデッドセンパイキッスオブベロシティ

「祖母ちゃんのさ、あ、兎じゃないほうの祖母ちゃんな、口の中に紙切れが入ってたんだよ。丸めたやつ。レシートかと思ったけど、けっこう固めの紙でさ、広げてみたらよくわかんねえ記号が並んでんの。あれやっぱ暗号かなあ」  僕の先輩は昔やらされたよくない薬の影響で、たまに誤作動を起こす。  他人名義で借りている2DKの部屋をうろつき、まるまる盛り上がったアフロヘアをぼりぼり搔き、どんよりした目つきで意味不明なことを呟き、ゲロを吐いて倒れる。  比較的まともな時は、だいたい僕からせびったハ

『誰かいて、誰もいない』 #2000字のホラー

 叫び声で目が覚めた。  時計を見ると深夜の四時。冬のこの時間は、まだ暗い。僕の家は、築…

Hugo Tanaka
2年前
7

『Hくんの家』 #2000字のホラー

 近所のバス停で駅前行きのバスを待っていると、道路を挟んだ向かいにあるアパートが目に入っ…

Hugo Tanaka
2年前
2