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羽後燦樹のブックレビュー『ロジカルな必死』

☆☆☆☆ お薦めの1冊

著者:金子 タカシ
出版社 : 浅川書房
発売日 : 2023年6月27日
単行本 : 288ページ

著者の金子さんはアマチュア将棋の強豪。
何冊もの棋書を著されていて、終盤系のものが多いですね。
特に「寄せの手筋200」は不朽の名著と言って良いと思います。

本書はその金子さんの最新著。
その名の通り、将棋の終盤戦の必須技術のひとつ「必死」を取り上げた「解説本」ですね。

よくある「必死問題集」と違って「必死」を5つのパターンに分類し詳細な解説が施されています。

  1. 数的優位の必死

  2. 二つ以上の詰めろの必死

  3. 受ける場所なしの必死

  4. 両王手の必死

  5. 切り返しの必死

それぞれについて20~40問の必死問題が示され、詳細な(くどいほど)解説がついています。
そしてその解説が他の棋書にありがちなどことなく感覚的なものではなく文字通り「ロジカル」。
抜けなく漏れなくダブりなく「MECE」ですね。

さらには「詰めろを受ける手段」がこれまた整理分類して示されているところが凄い。

  1. 取る

  2. 利かす

  3. 埋める

  4. 逃げる

  5. 逃げ道を開ける

必死問題を解いていて「コレが正解手!」と思った時にどう検証するか?
上記5つの受け手を潰していけば良いのです!!

他の必死問題集を解くときに大いに役立っています。
実戦では時間の関係でコレをやってる余裕はないですが、必死問題の検証時に習慣化すれば実戦での「読みの省略」に役立つはず(と信じたい)。

レベルとしては「初心者~三段」と書かれていますが、5~6級以下は解答/解説を読む(「鑑賞する」と表現されています)ことが中心となるかも。

最適レベルは筆者のような「なかなか初段になれない中級者」あたりかもしれません。

いずれにせよ終盤力強化には欠かせない1冊です。

よろしければこちらもご覧ください。


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