4. チョコレートチップクッキー (Chocolate chip cookie)
アメリカで何よりも人気があるお菓子と言えば。。。私はチョコレートチップクッキーだと思う。日本では、そこまで”どこにでもあるお菓子”と言う地位は築いていないであろう、このチョコレートチップクッキーだが、アメリカでは、カフェに、レストラン、家庭に、スーパーと、どこにでも必ずあり、大抵が一番人気なのである。
大人、子供、男女関係なく、皆が喜ぶこのチョコレートチップクッキー、その魅力は一体なんなのだろうか。
私がニューヨークで勤めていたクッキーがメインのベーカリーでも一番人気はこのクッキーであった。ポートランドで勤めたレストランでも、季節ごとに新しいメニューを入れ替えていくのだが、チョコレートチップクッキーは通年で毎日用意していた。どれだけ思考を凝らしたデザートより、旬の果物をふんだんに使ったデザートより、確実に一番注文が入るのは、このクッキー。ファーマーズマーケットに出店していた時も、毎週1−6枚買っていく常連客は数人ではない。お金を払いながら、すでに1枚は口の中へ。午後になって、走ってくるお客さん、「寝坊したけど、まだチョコチップクッキー残ってる?」と寝癖を気にしながら寄ってくれるも、朝のうちに売り切れることも珍しくはなかった。「すぐ食べるから、袋はいらないよ」と言うお客さんも多く、大の大人がクッキーを加えながら残りの買い物を楽しんでいた。
そんなに人気のチョコレートチップクッキーだが、お店によって、家庭によって、レシピは様々。分量はもちろん、材料もいろいろで、風味はもちろん、見た目も食感も変わってくる。英語で言うと、ケーキーなもの、チューイーなもの、クリスピーなものなど、それぞれ特徴があり母の味によるものなのだろうか、同じアメリカ人でもそれぞれ好みはマチマチである。また、そこまで好きなのかと驚くのが、焼く前のクッキードウ(生地)を生で食べたがる人も多いのだ。日本人に対して生の卵を食べるなんて信じられないと、アメリカ人はよく笑うのだが、クッキー生地にも生の卵入っているではないかと、私はいつもツッコミを入れていた。クッキードウが入ったアイスクリームも人気な程である。(これは流石に、衛生上生卵は入っていない)そう言えば、どこかにクッキードウ専門店なんていうのもオープンしたと聞いたこともある。
そんなチョコレートチップクッキー、シンプルなクッキーだが、侮れないなといつも思う。コロナが落ち着き、アメリカにくる機会があれば、ぜひチョコレートチップクッキーの食べ比べをお勧めする。そしてお供はやはり、牛乳である。大人が子供に戻る瞬間。みんなの幸せそうな顔を見ていると、郷に入れば郷に従え。。。チョコレートチップクッキーを作るのは一生やめられそうになさそうだ。