2. パイ (Pie)
サンクスギビングが三日後に迫っている。。。ターキーがセーバリー編ならばパイがスイーツ編かなと言うことで、パイについて書いていこうと思う。
サンクスギビングに限らずアメリカ人はパイが好きである。ポートランドで勤めていたレストランではデザートメニューに必ずフルーツパイ一種とクリームパイ一種を他4種のデザートに加えて通年載せていた。1番の人気は焼き込みのフルーツパイにバニラアイスクリームを添えると言う組み合わせ。暖かいパイに冷たいアイスクリームがよく合うのでオススメだ。
クリーム系のパイとは、バナナクリームパイだとか、キーライムパイ、ラズベリークリームパイなどなど、パイ生地をしっかりと焼き、そこに硬めのクリームを敷き詰めて、その上にホイップクリームを絞り、物によってはフルーツを飾るというものである。
そしてフルーツパイとは、アップルパイだとか、パンプキンパイ、ナッツもフルーツとすれば、ピーカンパイなど、パイ生地を空焼きした後、フルーツなどのフィリングを入れ、また焼くもの、もしくは整形したパイ生地に空焼きせずにフィリングを入れ、焼くもの、またパイ生地で蓋をしてダブルクラストにして焼く物などがある。
夏はアプリコットやベリー系などで、冬はリンゴや洋梨などでパイを作ることが多かった。特に焼き込みのフルーツパイはたくさんのフルーツを必要とするので、旬のフルーツを使うのがポイントである。
パイは手間がかかるように思うかもしれないが、パイ生地は事前に作っておいて整形して、冷凍もしくは冷蔵しておくことができる。またフィリングも前日などに作っておけば、当日は空焼きをし、フィリングを入れて焼くだけ、もしくはダブルクラストのアップルパイなどは全て整形して冷凍しておくと、当日はエッグウォッシュを塗ってオーブンに掘り込むだけである。
ベーカリーで働いていた頃は、夏の忙しくない時期からパイ生地を作り出し、ディスク状にして冷凍しておく。そしてサンクスギビングの2週間前くらいから整形に取り掛かり、2ー3日前にフィリングを用意。前日もしくは当日朝に一気に焼くと言う作業をしていた。1日に何百と言うパイを作るには、事前にどれだけ準備ができているかがキーである。クリスマスシーズンはさらに忙しいギフトの時期だ。このサンクスギビングをスムーズに乗り切れると、その勢いに乗ってクリスマスまで駆け抜けるのだ。材料の発注、冷凍庫のスペース、どう収納して中を回転させるのか。この時期は毎年、夢の中でも作業をしていたのを思い出す。今年はそんな作業もなく、逆に現実が夢のような何も仕事のないホリデーシーズンを迎えて、どうも落ち着かない。けれどサンクスギビングはやはり一つはパイを焼こうかなと考えている。