浪人入学式
今日は2025年2月6日。受験当日である。
現在受験日の朝7:36
そして試験開始時刻は10:00
並大抵の受験生なら心臓がグツグツと煮込まれ、一年を振り返り決戦の覚悟をしているときではないだろうか?
皆が期待と不安にまみれ、受験戦争に終止符を打つこの日
しかし私はといえば…
1分の心拍数は72回。
測る余裕さえある。
結末がわかっているからだろうか?
それとも己が落胆にその気力すら伏しているのだろうか?
私はこの受験期を全く持って勉強できず二度目の鬱になった。何も残っていない。
始まりさえ感じていない気がするのだ。
どこか遠くの町でゴールテープの切られた音とスターターの銃声がなっていたような気がするだけ
昨年の春には不仲の両親に手を借りず受かると啖呵を切り、だが結局は祖母に受からない受験の費用を借りる始末。
できなかった言い訳ならたくさんある。被害妄想でもなく、両親、兄に奪われ虐められのその根拠もある……
けれどやはりどう言葉を連ねようと、残るのは悔しさと虚しさ。自己嫌悪に満ちた言葉の意味は未だ自分のものと認められない。
ずっとぬかるんだ生暖かい沼地に浸かりながらなんてところには、私が僕を居させてくれない
だからこそ僕は今日迎えるこの日を敗戦の日でも終戦でもなく、新たな戦いを迎える決起の日にしようと思う。
そんな悲しい無駄になったあんな日があったではなく、負も繋げていけるのような僕になりたい。悔しさと溢れる敗戦の日々そこらにも僕がいたとハッキリ感じられるようになりたい。
今度は自分の手でスターターの引き金を弾く。今日この日が一歩目となる。
2026年2月は一年後の冬
見返した時今の自分を感じられているように
今の時刻は8:10 心拍数は72回