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ミュージカル「ナビレラ」観劇

この作品を見て、「あぁ、この気持ちをどこかに残しておきたいな」と思ったので、記録をつけることにしました。はじめまして、ほそかわです。三浦くんを応援して数年が経ちますが、ついにネット上にちゃんと感想を書くことになるとは。(いつも、細々と感想は書いていたのですが、公開して残してみようと思うまではいかず…)

「ナビレラ」のキャスト発表の時のことは、今でもよく覚えています。ミュージカル「のためカンタービレ」の大千穐楽の後、この発表を見て、バレエを題材にした作品!?三浦くんにぴったり!!!とその時からすごく楽しみにしていました。
ご本人も色々な媒体で「俺しかいない」と豪語していただけあって、本当に期待以上で、バレリーノとして輝く三浦くんのチェロクがいました。そして、温かさに溢れた、幸せな作品で、本当に感動で涙が止まらず、ポケットティシュの消費がとんでもないことになりました。

ここからは私が大好きなシーンの感想をいくつか。ネタバレだらけです。(セリフ等は正確ではないです)
公式サイトのあらすじは以下のとおり。

一流のバレエダンサーを目指すイ・チェロクは才能を持ちながらも、自身を取り巻く厳しい現実に将来を見出せず、スランプに陥っていた。一方、郵便配達員として家族のため長年働いたシム・ドクチュルは定年を迎え、残りの人生を考え始める。

ある日、ドクチュルはダンススタジオを通りかかり、そこでチェロクが踊る姿に心を奪われる。ドクチュルは子どもの頃バレエダンサーに憧れていたが、家庭は貧しく、実現できる環境ではなかったのだ。かつて諦めた夢に挑戦しようと、チェロクが踊っていたスタジオを訪ね、バレエのレッスンを受けたいと伝えるが、チェロクは相手にしない。それでも熱心に通い続けるドクチュルを見たバレエスタジオの団長から、チェロクはドクチュルのバレエの指導者になるよう、そしてドクチュルはチェロクのマネージャーになるよう、言い渡される。

こうして、若者と老人、一見奇妙な2人のバレエレッスンが始まった―。

https://www.tohostage.com/navillera/index.html

〜1幕初め、いきなりバレエを踊り出すチェロク〜
チェロクの最初の登場はまさかの自転車です 笑。出前のアルバイトをしていて、自転車で舞台を横切って行きます。その後、バイトのせいでバレエ団の練習に遅刻するのですが、荷物を仲間に押し付けて、ストレッチもせずに踊り始めるんです!この登場の仕方、あまりにも自信家じゃありませんか!?この時のチェロクは自己管理が甘く、心身共に不安定であるために、所々失敗しているのですが、あの登場からのくるくる回って跳んでいるのを観て、この人すごい!!!と思った方、多いのではないでしょうか?登場としてすごくかっこいいと思い、心の中で頭を抱えました。
(こりちらの映像の冒頭ですね…)

そして、上手で才能がありそうなバレリーノなのに、どこか問題を抱えているのかなという印象を受けます。この問題(自分が上手い方という自覚があるものの、アルバイトをしていたり、かつての仲間とのしがらみ、親子の関係等、自分の夢にまっすぐ進めない現状がある)が1幕で紐解かれていきます。ドクチュルとの交流でどんどん変わっていくという流れにつながっていきます。

〜1幕最後、雨の中のチェロクの「俺を見て」〜
このセリフ、あまりにも切なくて、泣きました。
雷をきっかけに認知症が悪化し、記憶を失ったドクチュルが唯一認識できるものがバレエで。チェロクはドクチュルにバレエを踊って見せるんですよね。雨の中、ドクチュルへの想いが込められて舞うバレエが本当に切ないんです。
このシーンよりずっと前に、チェロクはドクチュルのリクエストに応えて、バレエを披露していました。その踊りを見たドクチュルは「世界に色がついて視界が開いていくようだ 頭もはっきりしてくる」とチェロクに伝えるのですが、このドクチュルの言葉をチェロクはすごく大事に抱えていて、ドクチュルの記憶が自分のバレエで戻るようにという願いが表情と踊りに現れているのが、切なかったです。
そして、チェロクにとってドクチュルがどんなに大切な存在(バレエ仲間として、師弟として、家族として)なのかも伝わってきます。以前にドクチュルが俯くチェロクにかけた「泣くなチビ助 私がそばに居るから」という言葉、記憶が戻らない状態で「助けて」と泣き叫ぶドクチュルに返すのも芽生えた絆を感じました。

〜2幕の同好会シーン、ドクチュルを見守るチェロク〜
ドクチュルが怪我や家族からの心配、チェロクとの衝突で諦めかけていたバレエを取り戻すシーン。ドクチュルが全身でバレエを踊れる喜びを表現していて、観客側にもそれが伝わってきて幸せな気持ちになります。そんな中、それを側で見守るチェロクがあまりにも愛おしそうな表情で涙ぐんでいて…
自分のやるせなさ、バレエをがんばったってどうせ全部忘れてしまうという怒りや悲しみをドクチュルにぶつけ、ドクチュルにバレエを辞めさせてしまった。どうしたらいいかわからないまま衝突してしまったからこそ、後悔があっただろうし、ドクチュルが自分と同じようにバレエを大好きなことをチェロクもわかっていて、そして仲間として、教え子として時には親のように大切な人だったから、その人が幸せで、またバレエの舞台に戻ってきてくれて、すごく嬉しかったんだろうなと思いました。
その後の「また辛い思いするかも」「いいさ」「また、体壊すかも」「いいさ」「夢を諦めるくらいなら」のやりとりで、2人が向く方向が一緒でまたバレエを全力で頑張るんだという想いが伝わってきて、胸がいっぱいになります。

〜2幕「イショーラス(Reprise)」のチェロクパート〜
ここ、作品の中で一番好きなシーンです!チェロクのパートに「完璧じゃなくていい 人生のように 刻め この時を」という歌詞があるのですが、この時のチェロク、そして、三浦くんが輝きすぎていて、気づいたら泣いていました。
このパートの前、ドクチュルがセンターで踊っているのを見てニコニコなチェロク。そして、自分がセンターに入ってから、歌うパート。バレエを踊りながら、高らかに歌う姿を見て、
「歌・踊り(バレエ)・演技」三浦くんがこれまで努力し続けてきたことが全てつまって爆発している、今の集大成のような作品が「ナビレラ」だとふと思ってしまい、それくらいこの作品での三浦くんはあまりに輝いて見えました。
そして、「刻め この時を」という歌詞、あまりにも舞台とリンクしているなと。舞台は全公演がすべて同じということはなくて、巻き戻しも早送りもできないので、一瞬一瞬、舞台から発せられる全てを観客として受け取りたいと思っています。あまりにも今を舞台で生きている三浦くんにピッタリで、このシーン、死ぬまで忘れないだろうなと思いましたし、忘れまいと、必死で目に焼き付けていました。

なんと!公式PVの最初にこのシーンが採用されているので、ぜひ!!!

〜2幕、最後の公演でのドクチュルとチェロクのバレエ〜
舞台に立てると喜んでいたドクチュルですが、公演前日に認知症の症状が悪化して、周りの人のこともわからなくなってしまいます。公演には出られないと誰もが思ったその時、チェロクの名前を口にします。ドクチュルの夢と願いを、そして自分の夢を叶えるためにチェロクはドクチュルと2人で舞台に出たい、自分の背中を見せるという約束を果たしたいと歌い上げるのですが、この2人の過ごした時間を思い起こす美しい歌詞と三浦くんの切実な演技が、本当に泣けました。
絶対にやり切るから踊らせてほしいと団長に懇願するのですが、迷う団長。そんな中でドクチュルが「踊りたい」とポツリとつぶやく。この一言だけで、涙腺が崩壊するくらいで、川平さんの演技にも圧倒されます。団長は許可を出し、2人が踊ることが決まった後の歌詞が「俺だけを信じていればいい バレリーノ シム・ドクチュル」なの、あまりにも愛が大きすぎます。ドクチュルもまだ記憶が戻っていないながらも、力強く「バレリーノ シム・ドクチュル」と繰り返す。そして「2人で 行こう」と一緒に歌って駆け出して行くのは、ここまで見た2人の絆が尊すぎて、大号泣でした。
また、2人が舞台に上がる瞬間の舞台転換も素敵でした。最初、観客は舞台裏にいるチェロクとドクチュルを見せられていて、チェロクが踊り始めた時も舞台裏のドクチュルと共に背中を見ている状態。そこからドクチュルが舞台に上がるタイミングで白い幕が垂れて、夜空に浮かぶ星の中を踊る2人を正面から見ることができるんです。なんで、2人が星の中で踊っているのか、ふと疑問に思ったのですが、ドクチュルの妻であるブンイがドクチュルのバレエを踊る姿を見て、「星みたい」と表現していたのがここに反映されているからなのかと今更ながら気づきました。
そして、チェロクのドクチュルを見つめる顔が愛にあふれていて、1幕の最初はあんなに怖い顔をして踊っていたのに。ドクチュルもバレエを始めた時とは見違えるほど踊れていて、2人が積み重ねてきた時間や絆をひたすら感じます。最後のポーズはポスターのビジュアルにもなっている飛ぶチェロクとそれを見つめるドクチュルで、前日の約束の「飛ぶところを見せてほしい」というドクチュルの願いは叶ったのだと胸がいっぱいになりました。飛んだ瞬間に暗転するのも、あまりにも美しい形で2人のバレエを残していて、暗転中も涙が止まらず、ひたすら拍手を送り続けていました。

〜「バレエ」の3文字だけが与える感動〜
数年後、認知症の進行が進み、家族のこともわからず、車椅子に乗っているドクチュル。そして、プロになってロシアのバレエ団に所属するチェロクが一時帰国して再会します。家族のこともわからなくなってしまったから落ち込まないでとブンイが声をかけるも、自分を覚えていないことに落ち込むチェロク。そして、1幕最後の雨の日のように「俺を見て」と言って、バレエを踊り出すのですが、あの日とは違って、ドクチュルはチェロクから目を離して、ぼーっとしている。それに気づいたチェロクは踊りながら涙目になり、踊るのをやめてドクチュルのそばで泣いてしまいます。そして、「泣くなチビ助 私がそばに居るから」とドクチュルがチェロクの頭を撫で、「バレエ」と言いながらポーズをとるんです。周りの人のことも、これまでの出来事を忘れていても、踊れなくなってしまっても、バレエがずっと大切という気持ちはかわらないとわかるセリフと表情で、川平さんの演技にひれ伏しました。

他にも岡さんの愛に溢れるブンイや、スンチョルとの関係の変化等、語りたいことはいっぱいありますが、事細かに書くと大変なことになりそうで…
普段、色々と舞台は観ていますが、こんなにぐちょぐちょに泣いたのは初めてでした。

今回、初日からずっと客席のエネルギーがすごくて、拍手も歓声も鳴り止まないくらいたくさんで。こんなに幸せな気持ちをくれる舞台をつくってくれて、ありがとうという気持ちで私も拍手を送っていました。それに対して、川平さんも三浦くんも、客席からエネルギーをたくさんもらっていると度々言っていました。


そして、演出の桑原さんが素敵な記事を書いてくださっていて…稽古エピソードや演出の話等々、読んでいて楽しいエピソードがたくさんで何度も読みました。

また、バレエチャンネルさんの座談会記事も!バレエ知識0なので、細かいところにも言及されていて、なるほどと思いつつ楽しく読めました。

そういえば、大千穐楽で、川平さんが「全く同じキャスト、スタッフで再演したい」と東宝さんにお願いしていましたが、実現したらすごく嬉しいですね。(三浦くんは「身体が動くうちに…5年以内で」と言っていました笑)今回は、東京公演のみ、映像化も無しということで、本当に観られる人が限られた公演だったので、いつかまた劇場で出会えることを願います!!!


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