トレイルランと下ネタトークの極意
ランナーたちの平日の朝。それは、地味にアツい戦場。山道にいると、日常とは全く別の生態系が広がっているようで、独特な緊張感が漂う。特にトレイルラン好きのグループで集まると、その興奮はさらに増幅される。だが、その燃料はエナジードリンクやバナナだけではない。「下ネタトーク」というスパイスが効いてくると、もはやトレイルランは笑いと息切れの大運動会になるのだ。
ある平日の朝、いつものメンバーが集合。みんな仕事前で時間がないのに、なぜか準備体操に熱が入りすぎる。「今日も山を征服しようぜ!」なんて言いながらも、いざ走り出すと「おいおい、征服するどころか、逆に登山道に置いて行かれてない?」とツッコミが飛ぶ。もうこれだけで笑いが止まらない。
そして始まる、下ネタトークの波状攻撃。メンバーの一人が言う。「トレイルランってさ、山も体もデコボコしてるよな!」すると、他のメンバーが追い討ちをかける。「でもさ、デコボコしてる方が道も体も味があるってもんだ!」みんなの顔に疲れよりも笑顔がにじみ出てきた。そう、ここでの笑いが日常の疲れを吹き飛ばしてくれる。
山の中腹あたりでひと息つくと、誰かがポツリとつぶやく。「この斜面、俺の脚に勝つ気満々だな。でも俺だって負けてないぜ…と言いたいところだが、そろそろリタイア寸前かも。」そこに仲間がすかさず、「リタイア寸前?それ、まるで俺の恋愛みたいだな!」とまた一波乱。もう、笑いが止まらない。トレイルランに真剣なのか、それとも笑いに真剣なのか、もはや区別がつかない。
それでも、頂上までたどり着くと達成感が一気に押し寄せてくる。「やっぱり頑張った後の一杯が最高なんだよな!」とはしゃぐ仲間たちの顔は、もはや清々しい以上に変な満足感でいっぱいだ。そこでもまた、ボソッと誰かが、「山を征服した気分、だけど下りがあるってわかってるんだよな…これが人生ってやつか。」などとつぶやくと、「なに急に哲学?それとも、帰りのエネルギー切れを言い訳にしてるだけか?」とまた爆笑の渦。
下り道ではすでに脚がガタガタで笑いの体力もギリギリだが、何か妙な充実感がある。仕事の前にこんなにも笑って、登って、下って…これは一般人には理解されにくいが、ランナーたちの平日の小さな至福。地味に汗を流しながら、冗談を飛ばし合い、時に山道で小さな「大人の会話」を交わす。これぞ、トレイルランと下ネタトークが織りなす特別な時間。平凡な日常に彩りを与えるのは、こんなくだらない瞬間かもしれないのだ。