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屋外宴席のススメ〜平日ランナーのささやかな幸せ

ランナーの平日といえば、仕事帰りに一汗流し、家路を急ぐ日々。しかし、時にはルーティンから抜け出し、少しだけ冒険してみたくなるもの。そこで私が推奨したいのが、御堂筋パークレットでの「路上飲み」。それも、ちょっと手間ひまかけて、業務用スーパーで仕入れたおつまみを並べる本格派の宴席だ。

まず、平日夕方の御堂筋。オフィス街の喧騒が一段落したタイミングで現れるのが、静かなパークレット。疲れたサラリーマンたちが足早に帰る中、私たちはこっそりとスーパーの袋を抱え、堂々と場所をキープする。ベンチに広げたおつまみとお酒、さぁ宴の準備は万端だ。

「乾杯!」とまず一杯目。喉を潤す冷えたビールが格別で、ふと疲れが吹き飛ぶ。お隣さんもチラリと見てくるが、気にしない、気にしない。ランナーたるもの、群れを成して走るのも一人で走るのも自由だ。だから、屋外宴席だって、きっと許されるはず!

業務用スーパーの実力は侮れない。少し奮発して買ったサラミやチーズの量がこれでもかと多く、飲み友達も驚きの表情を見せる。「これ、全部食べれるの?」と笑いながら、手が止まらない。パンも持ち込み、サラミを挟んで即席のサンドイッチを作り出す。「栄養補給だよ」と言えば、ランナー仲間もうなずいてくれる。ビール片手に栄養補給、なんて聞けば一見矛盾だが、なんともしっくりくるのがこの場の不思議さだ。

酔いも回り、いつの間にかランニング仲間でささやかなレース談議が始まる。「先週のレース、どうだった?」とか、「次の大会、エントリーした?」なんて話題が次々に飛び交う。しかし、ランナーとは言えど、今日はエクササイズではなくリラックスが目的。みんなの顔に自然と笑顔が広がり、ほんのりとしたアルコールの魔法で、普段のストイックさがほぐれていく。

気づけば空が徐々に暗くなり、街灯が灯り始める。仕事終わりの夕方、ただ走るだけでは味わえないこの特別な時間。肩肘張らず、ちょっとした贅沢とともに心も体もリフレッシュされる。次の日のためにまたエネルギーを蓄え、明日もきっと頑張れるだろう。

こうして、私たちの路上飲みは平日の密かな楽しみとして、こっそりと受け継がれていくのだ。

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深北男塾note
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