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トレイルランにおける憤怒

トレイルランニングの「7つの大罪」シリーズ、今回はその中でも最もエネルギッシュで手強い「憤怒」。ランナーが冷静さを失い、熱く燃え上がる瞬間がどれほどあることか。トレイルでの憤怒の場面は実に多彩で、それはまるで山が用意した試練の数々のよう。以下では、トレイルランにおける「憤怒」の場面をユーモアたっぷりに探っていきます。

1. 憤怒と自然:道を阻む巨岩と倒木

トレイルの道中、突如として現れる巨岩や倒木。自然の造形美と言えば聞こえはいいですが、走行ルートの真ん中に鎮座するそれらは、ランナーにとってはただの障害物。「お前、どこに生えてんだ!」と心の中で木に文句を言いながら、それをよけるたびにイライラが募ります。自然相手に文句を言っても無駄だと分かっているけれど、避けるたびに憤怒が静かに燃え上がります。

2. 憤怒と坂道:急登と階段

山道で現れる急な登り坂や、絶え間なく続く階段。最初は「これは脚力トレーニングだ」と前向きに取り組むものの、終わりが見えないと次第に心が折れ、最後には「これ、誰が作ったんだ!」とイライラが爆発。坂道や階段の作り手を勝手に心の中で責め立てるものの、当然ですが作り手からの返答はなし。結局、汗だくで登りながら一人で怒りを抱えることになります。

3. 憤怒と装備:言うことを聞かないギア

最新のトレイル用ザックやハイテクシューズを誇らしげに装着していたはずが、山の中でチャックが壊れたり、シューズの紐が解けたりすると途端にイライラが爆発します。特に、ランニングポーチのチャックが走行中に開いてしまい、中の補給食が落ちていくなんて事態になると、もはや憤怒が止まりません。思わずザックを投げ捨てたくなる衝動に駆られながらも、グッと堪えるのがランナーの忍耐力です。

4. 憤怒と虫:山の守護者、蚊とアブ

夏のトレイルで頻繁に遭遇するのが、容赦なく襲ってくる蚊やアブ。登りで息を切らしている最中に耳元で「プーン」と鳴られた瞬間、「いい加減にしろ!」と叫びたくなるものです。しかし、無視しようとすればするほど執拗に追いかけてくる彼らは、まるで山が送り込んだ刺客のよう。山頂でやっとの思いで休憩しようとした矢先に、蚊の大群が現れた時の怒りは、言葉にできません。

5. 憤怒と他ランナー:「道、譲れよ!」

トレイルで出会う他のランナーも、時に憤怒の引き金に。狭い山道で前をゆっくり歩くハイカーが気づかずに道を塞いでいると、追い越すこともできずにイライラが募ります。心の中で「頼むから道を譲ってくれ!」と叫びたくなるものの、礼儀を守って「すみません、通してもらえますか?」と丁寧にお願いするのが大人の対応。内心では、ハイカーのマイペースさに怒りがふつふつと燃え上がっています。

6. 憤怒と天候:突然の雨

トレイルランニングの準備を万全に整え、「今日は晴天!」と期待してスタートしたはずが、山の天気は予測不可能。突如として雷鳴とともに雨が降り始め、びしょ濡れにされると、「なんでこんなタイミングで…!」と空に向かって怒りをぶつけたくなります。雨具を持ってこなかった自分にもイライラしつつ、天候を操る自然に憤怒を感じる瞬間です。

7. 憤怒と体力:「もう無理だ!」と自分にキレる

山道で体力が限界に近づき、足が前に進まなくなった時、思わず自分自身に怒りが湧いてきます。「もっと鍛えておけばよかった!」「なんでこんなコース選んだんだ!」と自己嫌悪も混じった怒りに襲われるのです。この時の憤怒は周りに向ける相手もいないため、自分自身に対する八つ当たりに変わり、ますます怒りが深まります。

最後に

トレイルランにおける「憤怒」は、山の試練が次々と襲いかかってくる中で避けられない感情です。しかし、この怒りとどう向き合うかが、トレイルランナーとしての成長に繋がります。山の不条理を楽しむ余裕を持てれば、「憤怒」を乗り越え、トレイルランの奥深さを一層味わえるようになるのです。

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