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小学校卒業50周年記念スペインアンダルシア2人旅 17日目最終日


いよいよ帰国 改めてスペインと言う国は?

長い旅もいよいよ終わり。帰国の日がやって来た。明日からスペインのあちこちで天気が大荒れになると言う警報が。しかし朝起きたらここはほぼ快晴。無事に出発できそうだ。11:30出発の便でまずヘルシンキへ。早めに出発してまずは免税手続き。しばらく来ない間にデジタル化が進んでいて、機械でやるようにと言われる。機械は空港の外れにあって、他に良い場所はなかったのかとも思うが、すぐにできたのは良かった。これで税金分はクレジットカードに返還される。

フィンエアーのチェックインカウンターが空いていた。「スペインにいる間日本人と会わなかった」とYちゃんが言った途端、カウンターに日本人らしき方々が。よく見たら友人の姿も。「Yさん」と私が呼ぶとご婦人たちはいっせいに「また!」と声を合わせて言っていた。Yさんは的屋からミハスで何軒も土産物屋などを営む実業家に、そしてミハスの名誉市民になった人なのだ。名古屋から妹さんと友人たちが遊びに来て見送リにきたところだと言う。引退されて人生を楽しまれている様子。

私たちもチェックインを済ませ、セキュリティゾーンでお別れ。長いフライト、気を付けて。

空港までの車中、彼女に今回の旅の印象を聞いた。スペインでたくましく一人で生きる女性たちに感心し、刺激を得たと言う。

スペインでは一人で生きていても、沢山の周りの人たちが適度な距離を持って見守ってくれたり、助け合ったり。コミュニティが機能している。歳をとって改めて気づいた事だが、私が幼少期に好きだった絵本は、一人で毎日はなを眺めていれば幸せな「はなのすきなうし」マンロー・リーフ作やレオ・レオーニの「スイミー」のように、個性的であるがゆえに孤独でありながら、困難から逃げずに知恵と勇気で乗り越えようとするという話だった。みんなと同じが嫌で、小さいときから自分の好き嫌いがはっきりしていた自分に、このスペインと言う社会は厳しくとも生きやすい環境だったと言えるのだろう。27歳で個人的な理由で移住したこの国に住んで早35年以上という月日が経った。人の目や意見を気にせず、思ったように自由に楽しく暮らしてこられたことは大変幸せな事だ。

Yちゃんは私が日本に帰ってこない理由が、今回の滞在で分かった、とも言っていた。

理由の大きな要因として、スペインのクオリティオブライフの高さがあるだろう。お金を持っていても持っていなくても、人それぞれの幸せがあり、それを実行しやすい環境がある。一年中過ごしやすい気温、日照時間の長さ。海や山といった豊かな自然。豊富な食材とおいしい料理。親しみやすく、情に篤い人々。深い文化と歴史があり、お金を掛けずにそれらを楽しめる環境。インフラも整い、世界のどこにでも簡単に行ける。全く恵まれた国だ。

ざくろ

当然老後の過ごし方にも違いが出てくる。その上医療費は心臓移植をしても無料。一部の処方薬の負担以外特別な支払いはなく、人工移植が世界で最も行われている国で、医学は進んでいる。公共の医療だけでは対応が不安な人たちには私立の健康保険も色々ある。

今回彼女が心掛けた新たなことを体験する、というのも日々を楽しく過ごす秘訣の一つだろう。どんな小さなことでもやってみることが大事なのだ。人生日々精進。

少しでも早く退職して老後を楽しみたいスペイン人と、できるだけ長く働いていたいと願う日本人。マラガはそんなスペイン人が老後を過ごしたいと思う街。旅行中、Yちゃんは色んな所で元気なシルバー世代を見て度々感心していた。ビーチやレストランで集う人たち、おしゃれなシルバーたち、山歩きや祭りで見かけた元気なシルバーたち、夜遅くのコンサートや誕生会を楽しむシルバーたち。同世代の沢山の笑顔を見た。

この旅を通して彼女がこれからの人生の楽しみ方のヒントを得られたら、とてもうれしいと思う。またどこかで一緒に楽しい時間を過ごしましょう。

4ヶ月位続いた旅日記もここで一休み。お陰様で述べ1万人以上の方々に読んで頂き、大変励みになりました。ありがとうございました。


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