44日目 スペイン・ポルトガル 3,000kmのロードトリップスペインベテラン撮影コーディネーターのぶらり旅
44日目
ウエスカはAがマドリードの王立演劇学校に入るまで家族と住んでいた街。今も彼女の家がある、アラゴン州ウエスカ県の首都。人口およそ53,000人。昨日まで1年で最も大きな祭サン・ロレンソが行われていた上、今年は猛暑で気温が高かったので私達はその2つを避け、昨夜に到着。そして今日は彼女の地元の仲間と近くの村ボレアでランチを食べることになった。
Cさんが車で迎えに来てくれて、早目に3人で村に着く。坂を上って教会のような門をくぐると、大きな屋根だけがある所に洗い場とベンチがあった。ここに座ってしばしおしゃべり。昔はここで市が開かれたようだ。洗い物をする女性たちもここでしばし休憩したかもしれない。
また坂をしばらく登り、パン屋さんに入る。この地方はさくらんぼの名産地だそうで、ジャムやソースの瓶詰め、蜂蜜、チーズ、巨大なトマトや玉葱等色んな物も売っている。それぞれパンなどを買って店は2時に閉めるというので、散策の帰りにピックアップするよう預かってもらった。
突き当りに階段150m坂道 500mで元コレヒアタに着くという表示。階段を選ぶ。ほぼ頂上からの展望は絶景。アラゴン地方の乾いた大地が遠くまで見渡せる。十六世紀、ゴシック後期の建物の中に入ると主祭壇はマリア様を祀ったスペインルネサンス初期の数々の祭壇画が金色の木彫で飾られていて、とても美しい。スペインはマリア信仰が盛ん。その姿には地方性が表れていて、面白い。この祭壇は最近修復されたそうで、色鮮やかで繊細。
他の祭壇も1つずつとても手が込んでいる。パイプオルガンのあるコーラススペースには昔の楽譜が広げられている。いつも思うのだが、どうしてこんなに大きいのだろう?飾り文字も美しい。今回はアラゴン地方で沢山のロマネスク様式の教会を見てきて、10世紀ぐらい前にいかにこの地が栄えていたかと、思ったが、この教会にも驚いた。
ランチの約束は14:30だったが、もう先についている人がいたので店の中を通って奥のテラスに。ブドウ棚で日陰を作った素敵な場所を予約してあった。
すぐに残りの2人も現れて、7人が揃った。ウエスカの4人とフランスから来たカップルに私。今日はコースメニューで、前菜は皆同じ。メインをオックステイル、低温調理した豚肉のソテー、ピレーネ マスの醤油柑橘類マリネソテー、そして私は本当はうさぎとカタツムリを食べてみたかったのだが、売り切れで、鹿肉のミートボールにした。前菜はズッキーニの冷製、赤ピーマンの塩鱈詰、ピーマンがだめな私にはアスパラのソテー、いちごとアボガドとマスタードドレッシングサラダ、デザートはブラウニーかチーズケーキ。ワインと水とパン付きで1人25€。
サービスもよく、おいしく、各々の夏の報告、私達が会ってきたウエスカの友人達の近況などを話し楽しいランチでした。ソブレメサはまだまだ続きそうだったが、第一弾の車があったので私は先に帰る。Aはしばらくして村からは戻ったが、もう一人友人に会って夜帰ってきた。夜はトマトサラダを食べて休む。