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波[詩]

身体を纏う煙を払い
夕凪とすれ違う
浜辺で寝転んで
波の音を耳に入れた

青い色。日が傾くたびに
赤い色、そして黒い色
胸の中で燃える炎は
波風がさらってく

どこまでも続く
水面の先は
踏み込んだことのない
世界が待ってる

埋もれた人間の
心は生焼けのまま
消えることなく残ったまま

未来は今来ている
待ちぼうけて逃している
波の中で渦をまく

耳に届くのは波の音だけ
海と空が闇に溶けて
真夜中を迎えた

混ざり合って重なり合って
重力の薄い海の中で
立てないまま時は過ぎていく

埋もれた人間の
心は生焼けのまま
消えることなく残ったまま

未来は今来ている
待ちぼうけて逃している
波の中で渦をまく

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