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境界性パーソナリティー障害について
パーソナリティー障害を掘り下げる第3段は境界性パーソナリティー障害です。
私の記憶では、もともと双極性パーソナリティー障害と呼ばれていたような気がするのですが、双極性障害と境界性パーソナリティー障害は別物のようです💧
ではチェックリストから。
見捨てられること(実際のものまたは想像上のもの)を避けるため必死で努力する。
不安定で激しい人間関係をもち、相手の理想化と低評価との間を揺れ動く。
自己像または自己感覚が頻繁に変化する。
自らに害が生じる可能性のある2領域以上で衝動的に行動する(安全ではない性行為、過食、向こう見ずな運転など)。
自殺企図、自殺の脅し、自傷行為などの自殺関連行動を繰り返し行う。
気分が急激に変化する(通常は数時間しか続かず、数日以上続くことはまれ)。
慢性的に空虚感を抱いている。
不適切かつ強い怒りを抱いたり、怒りのコントロールに問題を抱えていたりする。
ストレスにより引き起こされる、一時的な妄想性思考または重度の解離症状(非現実的または自分と切り離されているような感覚)がある。
今回は少し特殊な内容が多いかと思います。
いやいやそんな人いないだろー、と思いつつ私は3つ当てはまってしまいましたが💧
5つ以上当てはまると境界性パーソナリティー障害と診断されます。
それでは特徴を見ていきましょう。
①見捨てられることへの過剰な恐れ
境界性パーソナリティ障害では、自分に自信がなく一人でいることに耐えるのが困難であることが多く、一人になることを回避したりするために自己破壊的行為に訴えることがある。
つまり、見捨てられることを避けるために、死に物狂いの努力を行ってしまい、究極的には、相手の気を引き出すための方法として、自殺を試みることがあるということです。
②易怒性(怒りやすい)
自分の怒りを痛烈な皮肉、嫌味、または怒りのこもった痛烈な批判で表現することがある。
特に無視されたり、見捨てられたりしたと感じることで怒るため、親しい友人、恋人、家族などに対して向けられることが多い。
なお、怒りの爆発の後、恥ずかしさや罪悪感を覚え、自分が悪い人間であるという感じ方を強めるそうです。
③変わりやすさ
他者に対する見方を急激かつ劇的に変える傾向がある。
他者に支えられていると感じているときは無防備で、愛情を強く求めるけれども、脅かされたり、失望を感じさせられたりすると、怒りを抱き、他者を低く評価する。
また自己像も、突然、劇的に変えることがあり、自分の目標、価値観、意見、職業、または友人を突然変えることで示される。
しかし、気分の変化は通常数時間しか続かず、数日以上続くことはまれである。
気分が変化するのは人間関係での拒絶や批判の徴候に非常に敏感なためである可能性が高い。
ちょっと分かりにくいですが💧
つまり、恋人関係でいうと、
相手を理想の相手、運命の相手としてベタベタとしていたにもかかわらず、相手の単純な行動(記念日を忘れたとかかなぁ?)で失望し幻滅し、態度を180度変えるとかですかね。しかも、最終的に自分が悪いと思い込むという、、、
④衝動的行動と自傷行為
境界性パーソナリティ障害の多くは衝動的に行動し、賭け事や安全ではない性行為をしたり、過食や浪費、危険運転に走ったりするほか、物質使用障害を抱える場合がある。
また、自殺企図や自殺のほのめかし、また自傷行為(例えば、自分の体を切ったり、焼いたりする)などの自殺関連行動が非常によくみられる。
自己破壊的行為の多くは死ぬことを意図したものではないが、自殺リスクが一般集団より40倍高いとされる。
※境界性パーソナリティ障害のおよそ8~10%が自殺により死亡するとされています。
このような自己破壊的行為は、しばしば近しい人により拒絶されたこと、見捨てられたという思い込み、または近しい人への失望により引き起こされる。
また、自分が悪い人間であるという感情を表現するため、または自分が現実のものではないと感じたり、自分から切り離されていると感じたりする(解離といいます)場合に自分を感じるために、自傷行為を行っている可能性があるとされる。
さらに、苦痛な感情から気をそらすために自傷行為を行うこともある。
うーむ、
分かりにくいですねー(^-^;
私の今までの解釈では
「気分の浮き沈みが激しい躁うつ傾向の人格」
だったんですが(もちろん間違えてはいないと思いますが)、
そこに至るまでのバックボーンというか、メカニズムがややこしい💦
ただ、なんとなくこんな子いるなーとも思いました。
明らかに相手がおかしいのに自分が悪いと凹んだり、卑屈になったりする子や、
昨日別れ話してなかった?みたいな情緒不安定カップルとか、
(、、、それで自傷行為しちゃう子とか)
友人に何人かいますね💧
そういう子は依存性パーソナリティー障害か共依存だと思ってたんですけど、、、違うのかな?
ちなみに、最初に触れた双極性障害(双極症)との違いは「他者がいるかどうか」だそうです。
1人で気分の浮き沈みがあるのが双極性障害、他者に対して感情の変動が激しいのが境界性障害みたいですね。
長くなりましたが最後に治療方法を。
境界性パーソナリティー障害に関しては、感情の起伏が激しいので服薬治療(抗うつ薬など)の必要性も高いと考えられますが、精神療法を一つ紹介します。
リハビリ視点でいうと、こういったケースでは本人だけでは自己を見つめなおすことは難しく、他者との会話の中で認識を修正する必要があるので、
できれば周りにそういった知り合いがいれば、かかわりかたの参考にしていただきたいと思います。
では、
「メンタライゼーション」に基づく手法ですが、
これは人が自分の心の状態(自分が何を感じており、その理由は何か)や他者の心の状態について考え、理解することを再認識してもらうものになります。
つまり、自己否定感や他者に対する極端な失望を、感情的にならずに理由を考え、正しく理解しなおそうということであり、
その結果、
自分の感情を効果的に調節する(例えば、動揺したときに落ち着く)
自分の問題や他者との間で生じる困難に自分がどのように関わっているかを理解する
他者がどのように考え、感じているかについて考え、理解する
ようにするということです。
落ち着いた状態で、一つ一つ考えの整理を一緒にしていけば、一次的には考え方を改めることができると思います。
人格的な治療ですので、完全に考え方が身に付くまでは何度も繰り返し行う必要がありますが、根気強く治療しましょう!