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軟部組織の障害と理学療法〜肩関節編⑧〜回旋筋腱板に対する運動負荷や運動様式はどのように設定すればよいか?
こんにちは〜☺️
本日は腱板への運動はどうしたらいいのか?っていう疑問を記事にしていきます。
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回旋筋腱板に対する運動負荷や運動様式はどのように設定すればよいか?
回旋筋腱板に対する運動負荷や運動様式の設定は、腱板の状態(部分断裂、完全断裂など)、損傷の程度、患者さんの年齢、活動レベル、痛みの程度などを考慮して、慎重に行う必要があります。
基本的な原則としては、痛みを誘発しない範囲で、徐々に負荷を上げていくことが重要です。
具体的な運動負荷や運動様式の設定例を以下に示します。
初期段階:
等尺性運動:関節を動かさずに筋肉を収縮させる運動です。痛みが出にくいので、初期段階でよく用いられます。
軽い可動域での自動介助運動:セラピストが患者さんの動きをサポートしながら、肩関節を動かします。
中期段階:
軽い抵抗運動:セラバンドや軽いダンベルなどを用いて、回旋筋腱板を強化します。
肩甲骨周囲筋のトレーニング:肩甲骨の安定性を高めることで、肩関節への負担を軽減します。
後期段階:
機能的な運動:日常生活やスポーツ動作に近い運動を取り入れ、肩関節の機能を向上させます。
徐々に負荷を上げて、筋力や持久力を高めます。
運動様式としては、以下の点に注意します。
正しいフォーム: 間違ったフォームで行うと、腱板に過剰な負担がかかり、痛みを悪化させる可能性があります。
代償運動の抑制: 肩関節以外の筋肉(三角筋など)を使ってしまうと、腱板への刺激が不十分になります。
運動速度: ゆっくりとした速度で、コントロールされた動きで行うことが重要です。
また、運動後にはアイシングを行い、炎症を抑えることも有効です。
●回旋筋腱板の強化では、腱組織の特性を考慮した運動設定を行う
回旋筋腱板の強化においては、腱組織の特性を考慮した運動設定が非常に重要です。腱は、筋肉とは異なる特性を持っており、適切な刺激を与えることで、より効果的な強化が期待できます。
腱組織の主な特性として、以下の点が挙げられます。
粘弾性: 腱は、力を加えると伸び、力を除くと元の長さに戻る性質を持っています。この粘弾性を考慮し、ゆっくりとした速度で、徐々に負荷を上げていく運動が効果的です。
応力緩和: 一定の力を加え続けると、腱の張力が徐々に低下する現象です。この応力緩和を考慮し、持続的なストレッチや、等尺性運動を取り入れることが有効です。
クリープ現象: 弱い力を長時間加え続けると、腱が徐々に伸びていく現象です。このクリープ現象を考慮し、過度なストレッチは避け、適切な範囲で行うことが重要です。
これらの腱組織の特性を踏まえ、以下のような運動設定を行うことが考えられます。
漸増負荷: 腱は、徐々に負荷を上げていくことで、より強固になります。初期段階では軽い負荷から始め、徐々に負荷を上げていくことが重要です。
低頻度・高強度: 腱は、高強度の刺激に対して、より強く反応します。週に数回の頻度で、高強度のトレーニングを行うことが効果的です。
エキセントリック運動: 腱は、エキセントリック運動(筋肉が伸びながら力を発揮する運動)によって、より強化されます。ただし、エキセントリック運動は、腱への負担が大きいため、慎重に行う必要があります。
● 腱 組 織 の 力 学 的 特 性 : 運 動 負 荷 は 運 動 の 速 度 に 依 存 す る(低 速 く 高 速 )
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