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「客家と日本――華僑華人がつむぐ、もうひとつの東アジア関係史」を観に行ってみた

現在(2024/12/3まで)、国立民族学博物館では企画展として客家に関する展示がされています。

私は客家について、
・中国や台湾などには客家と呼ばれる民族がいて、彼らは客家語を話す
・台湾の鉄道アナウンスは台湾華語→台湾語→客家語の順で流れている
・食文化も客家独自のものがある(詳しくは知らない)
・中国の北の方から南下してきた民族?
くらいしか知らず、ちゃんと知りたいなと思ったので行ってみました。

目次の1. 以下は展示のネタバレですので、これからフレッシュな気分で展示を観たい方は0. までで読むのをやめておいてください。


0. 事前学習

客家に関する解説動画を見る

前提知識をある程度増やしてから展示を観たほうが理解が深まるかなと思ったので、客家電視台が制作した動画をいくつか観ました。

日本語ではなく台湾華語(と客家語)の動画ですが、1本が短いのと内容がかなりわかりやすいのでサクサク観れます。字幕付きなので台湾華語の勉強にも使いやすいと思います。

客家人が経営する台湾料理店に行って食事する

事前学習(笑)を兼ねておいしいご飯を食べに行きました。あくまでも事前学習ですからね!
いろいろ食べましたが、特に鹹豬肉は客家料理独自のものっぽいです。

鹹豬肉。シンプルなのに美味しかったです。

それでは、印象に残っている展示について書きます。

1. 客家語を聞いてみよう

標準としている客家語(四県方言)と、4種類の方言の客家語を聞くことができます。

一口に客家語と言っても方言に分かれているんですね

まず、四県方言で話された数字を聞いてみたのですが、「客家語を何も知らないのに何となくわかるな?広東語っぽい?」と思いました。(※私は広東語が少しわかります)
次に、客家語の方言の比較のために制作された、各方言(どれも客家語)での自己紹介動画を観ました。方言間の違いはそれほど大きくない(関西弁と標準語くらい)と感じましたが、やはり広東語っぽいなと思いました。
例えば「大家好(dai ga hou のように聞こえた→正式なローマ字表記はtai ga hau)」とか「我講〇〇腔(ngai gong 〇〇 kiongのように聞こえた→正式なローマ字表記も同じ)」とか、広東語とかなり近い気がします。広東語だと「大家好(daai6 ga1 hou2)」ですし、「我講〇〇腔(ngo5 gong2 〇〇 hong1)」ですし何となく近いですよね。

誰か広東語と客家語の音韻体系、文法あたりを比較した研究ってやってませんかね?調べたら出てきそうです。

2. 日本の客家調査と「広東語」

台湾を日本が統治した時代に、客家に関して日本人の研究者が研究したようです。このころ、客家人は広東人と呼ばれ、客家語は広東語と呼ばれていたということです。言語的に近い感じがあるからそうなるのも納得……?

3. 客家の食

"客"家というように、移動を繰り返した(すなわち移動先に元々住んでた人にとっては客)民族の生活に合った料理や山間部での生活に合った料理が多いようです。

美味しそう。今見たらちょっとブレてますね…

客家料理のレシピも配布されていたので持って帰りました。こんど作ってみます。

4. 客家花布

学術的にどうというわけではないですが、色合いや柄が見ていてぱっと明るくなる感じで綺麗だなと思いました。日本らしいモチーフも使われることが多いというのも面白いですね。

客家花布

5. ミュージアムショップでの戦利品

擂茶

少し前から擂茶が気になっていて、ちょうどよくお手軽に楽しめそうなものが売られていたので買ってみました。

siid=客家語で「食」なので、
siid chaは「食べるお茶」ということですね。

客家花布モチーフの湯匙(レンゲ)

ちょうど家にレンゲがなかったのでお迎えしちゃいました。

超級可愛です!

まとめ

共催が客家文化発展センター(台湾)だったからか、特に台湾に住む客家に関してはある程度理解できたように思います。
この展示を皮切りに、客家や他の民族に関しても個人的にいろいろ調べたいですね。

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