「鑑定士と顔のない依頼人」感想
視聴者指定映画です、ありがとうございます。
結構有名な映画だと思う、名前だけ知ってたが見たことなかった。
これ少し気になってたけどまだ見てないって人はこの感想を読まずに見て欲しい。
これは先に感想・ネタバレ踏んだら一番良くないタイプの映画。
まだ見てない人に言えることは、
おもんない流れがずっと続くから耐えて!
です。
評価は4点。
あらすじも調べないで見たほうがいい。
調べるだけでネタバレが視界に入るから。
あらすじ
主人公は60~70歳のおじいちゃん。
名の知れた鑑定士であり、競売人でもある。
一本の電話でとあるヴィラ(大邸宅)にある大量の品の鑑定を行うことになるも、何故か依頼人の女性はなかなか姿を現さず…。
めちゃめちゃおもんないあらすじしか書けない。
この先はネタバレ注意です。
この映画、終わる流れになるはずの残り4分の1ってところで唐突に面白くなるから、この展開が少しでもずれてたら評価は3.7くらい。
4分の1がこの映画を支えてる。
①登場人物に全く感情移入できない
主人公はほぼ老害。名はヴァージル。
行きつけのお高めのレストランが誕生日祝いにケーキを出してくれるんだが、「私は迷信深い。自分の誕生日は明日で、今は22:50だから」と言って手をつけない。24時過ぎたら食べるのかな?と思ったら、ろうそくが溶け切るまで席にいただけ(彼なりの誠意かな)
他にも、レストランでカタログを破り去って床に放置。
(ウエイトレスが片づけるだろうと思っている感じが見える)
ヴァージル自身、絵画が好きだが、出品者側のため落札することが出来ず、友人を使い代理で落札、自宅の隠し部屋にはその絵画が壁一面を覆うほど飾られている。
そして、依頼人の女性。名はクレア。
クレアはヒステリーメンヘラ女、27歳。
何度もヴァージルを家に呼ぶ癖に全く姿を現さない糞女。
ヴァージルに電話で謝る、ヴァージルもちょっと怒る。
怒られてヒステリー起こすクレア。この流れが何度もある。
姿を現さなかったのは対人恐怖症が原因だった、両親にも15の頃から会っていないとのこと。
クレアは壁越しなら話せるようになるものの、ヴァージルが髪を染めていることに対して、「髪の色をごまかす人は最低よ」となじる。
世間知らずの女の戯言なんて無視すればいいのに、何故か白髪交じりの髪型に戻すヴァージル。
メンヘラ女に従う老害……?まさかな…と見ている側には嫌な予感。
この後、付き合ったばかりの若者のいざこざのようなやり取りが、老害とメンヘラバージョンで度々お届けされる。
かといってヴァージルもクレアが好き、という描写は半分くらいまでは無いんだが、クレアの美貌をのぞき見して恋に落ちてしまった様子。
60歳のおじいちゃんが27歳に恋はきついて。
実はヴァージル、今までの人生で恋をしたことがなく、若い女性とは目も合わせられない。
そんな状態で、ろくに男を知らないクレアに出会い、親近感でも抱いたんだろうか。
のぞき見していたことをクレアにばらし、クレアも結構なハイペースで心を開いていく。
ヴァージルに心を開くの早すぎでは?まあ、映画ならこのスピードに収めるしかないか、と思っていたら、いつの間にかキスして、セックスもしちゃってもうビックリ。
ひな鳥とか単純接触効果のようなもので、ろくに男を知らないからこの展開にしたのかなぁと、見ている最中ずっとモヤモヤする。
ヴァージルに全く魅力ないからね。
監督は夢見がち。世間知らずすぎでは?と思った。
結局、二人は元々ヴァージルが住んでいた家で一緒に暮らすことに。
大切な女性を絵画が並べられている隠し部屋に招待し、私は今までこの女性たちに愛されていたんだ、と臭いセリフを吐くヴァージル。
このシーンで「ああ、ヴァージルって収集癖(男にありがち)があるからこの部屋にクレアを閉じ込めて生活させるのかな。なら納得」と思ったがそんな展開ではなかった。
②オートマタとは?
ヴィラ(大邸宅)にはオートマタ(自動で動くからくり人形)の部品がそこらかしこに落ちていた。
知り合いの機械技師に持っていったら、18世紀の有名な人が作ったものだと判明。
鑑定士の血が騒ぐヴァージル。
その部品を集めるためにも、メンヘラ女の電話にも強く反発しなかったのかな。
18世紀にオートマタが喋るってのはすごいことらしい。
おそらくその機械の中に小人が入っていたんじゃないかという話。
そして、その話に絶対関係あるじゃんという感じの小人病の女性が、ヴィラ(大邸宅)の向かいのカフェにいつも居る。
意味ありげにずっと窓の外を見ながら数字を数えている女性。
オートマタがある程度完成してきて、中央に隙間があるのを見て「あっ!!!!!!!!!!!!!!ここにこの女性が入るんだ!!!!なるほどね!!」と先読みしてテンションが上がった。
③完璧に騙された
最後の競売から帰ってきたらクレアの姿がどこにもない。
1枚の絵画を隠し部屋に持っていこうと扉を開いた瞬間、愕然とするヴァージル。
壁一面の絵画は無くなっていた。
そして、オートマタの中に小人の女性が入ることもなかった。
小人の女性の名はクレア。
そう、メンヘラ女と同じ名前。
実は小人の女性がヴィラの持ち主で、その建物はよく映画関係者に貸しているのだそう。
依頼人のクレアは詐欺師。
ヴァージルは隠し部屋に飾っていた名画を全て詐欺師に盗まれた。
隠し部屋に残されていたのは完成したオートマタ。
オートマタがあるということは、知り合いの機械技師もグル。
このオートマタが18世紀の物というのも嘘なのだろう。
どっひぇ~~~~~~~~~
こんな見事に騙された映画は久しぶり。
ヴァージルも女はクレアしか抱いたことがないから、逃げられた後も女々しくセックス思い出したりするねん。
そして、クレア(詐欺師)が話していた、国だか都市に引っ越して、彼女が口にしたレストランでひたすら待ち続けるシーンで映画は終わった。
むかつくわ~~
この映画むかつく。
映画の中にヒントはあったんだよね、機械技師の女の一人(機械技師は女を食いまくってる)が、「あの人(機械技師)には油断しちゃだめ」と言うんだよ、ヴァージルに。
クレアを寝取られるくらいの心配しかしてなかったが、そういうことではなかったのだ。
女の感って当てになるんだなぁ。多分彼女も被害者にすぎないんだが。
それに対してヴァージルは、完全に騙されたに決まってるのにレストランで待ち続けるってもう本当にダサいよ。
よくよく思い返してみたら、女の絵画だけ集めてたのもきもいなぁ。
童貞拗らせるとこんなんなの?
ここまで読んで、映画まだ見てないけど気になる民は、世の中の女なんてこんなもんだという意識を植え付けるために見たらいいかもね。
それで、優しい女が現れたらころっと落ちるだろう。
最後のどんでん返しで4点つけたが、糞映画ではある。
二度は見たくない作品。
あの二人が詐欺師だと知ったうえで見るのも面白いと思う。全ての事柄を綺麗に回収した感じがある。
ゴーン・ガールを見直したくなりました。
追記
メインの2人以外登場人物の名前を憶えていなかったので、そのシーンではピンとこなかったんだが、代理落札の友人までグルとは恐れ入った。
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