ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第四十一集③
サブタイトル「道を敷く」は今回が最後。
もう少し蒙大統領と夏江のシーンから。
估计连我都不会再来看你了
挽回の機会がどんどん無くなっていると分かり、打ちひしがれて座り込んだ夏江。蒙大統領はもはや皇帝は夏江の話を聞く気がないと続ける。それでも今は蒙大統領を遣わしているが、それについて蒙大統領が付け加えた。
▼估计连我都不会再来看你了
( gūjì lián wǒ dōu bù huì zài lái kàn nǐ le)
「估计」は「見積もる」「推定する」で、その内容が後続する。
「连」は後の「都」と呼応して「~さえも」、間に一人称の「我」がはいるので、「连我都」で「私さえも」という意味になる。
否定の「不」と可能性を表す助動詞「会」で「~することはないだろう」「~のはずがない」、「再」は副詞で未来の動作について「再び」「もう一度」、「来」は「来る」、「看」はここでは「(人を)訪問する」「会う」なので「来看」は複数の動詞が同じ主語に対して対等に一つの文の中に出て来て連動文の形になっている。
「你」は二人称でここでは蒙大統領から見た夏江のため「おまえ」、最後に状況の変化を表す文末助詞「了」がつく。
全体を直訳調にすると「推定すると私さえもおまえに再び会いに来ることはない(状態になる)だろう」。元のセリフがもっと長い文章で、取り扱った部分は文章後ろの方だった。
実際の字幕ではそのセリフの前の部分を受けて「そのうち私さえも遣わせぬようになる」となっている。この「そのうち」の部分も含めて解説するには、全文を解説する必要があったが、そうすると冗漫な感じになりそうだったので、よく出てくる構文なのに意外と取り扱っていなかった「连」+「都」の部分に留めた。ご容赦ください。
それでも夏江は帰ろうとする蒙大統領を引き留めて、最後に梅長蘇に飲ませた烏金丸の解毒が本当にできたのか確認する。蒙大統領は「でなけらえばお前を生かしていると思うか?」と言って立ち去った。夏江は解毒できた事が信じられないといった顔をした。
こうして夏江は投獄され、手を組んでいた誉王は七珠親王から双珠親王に格下げと三か月の幽閉という処分を受けた。これで靖王が最も高位の皇子になったため、越貴妃(第三十四集で廃された皇太子の生母。過去には霓凰郡主を陥れようとした。)の代わりに静妃が貴妃に昇格した。
梅長蘇が靖王を補佐している事を知らない皇帝は、いよいよ靖王を後継者候補とすべく梅長蘇を積極的に訪問し指南を受けるように言った。靖王の目的(赤焔事案の真相究明)に向けて道が敷かれていく。
一方で靖王は梅長蘇を沈追、蔡荃と引き合わせ、靖王が実権を握った時に表舞台に立てるよう梅長蘇のための「道を敷く」のだった。
🖌今回の気になる単語帳
不仅如此 bù jǐn rú cǐ
「その上」「そればかりでなく」という意味。梅長蘇の屋敷を訪れた靖王、沈追、蔡荃が2月に行われる人事の話で議論している時に沈追が使った。
字幕では「それだけではない」。
最初は成語かと思ったが「不仅(~だけではない)」+「如此(このような)」という構成で辞書を引いて初めて接続詞的に使われていたと分かった。