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ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第四十一集①

サブタイトルは「道を敷く」。
今回は構成の関係で一文のみの紹介に留める。


皇后到现在 还一直难为惠妃吗

後宮では皇后が他の妃嬪も集まっている中で、静妃と親しい恵妃に太皇太后に備える経文の写経を催促していた。これに助け船を出そうとした静妃だが、皇后に「医女の出自は卑しい」と皆の前で辱められて一蹴されてしまう。そして恵妃は期日まで時間がない中、2部写経をすることになる。

この件があった同じ日に皇帝が静妃のところへやって来た。静妃は(おそらくあえて)恵妃に送る軟膏(写経で凝った身体のためのもの)を侍女に持ってこさせ、皇帝もいるところで確認した。

そのやり取りについて尋ねた皇帝に、事情をそれとなく静妃が説明すると皇帝が言った。

皇后到现在 还一直难为惠妃吗
ー今も皇后は恵妃に難癖をつけておるのか?

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第41話
皇帝・蕭選

▼皇后到现在(huánghòu dào xiànzài)
「皇后」はそのまま「皇后」、「到」は時間の到達点を表す「~まで」、「现在」はそのまま「今」「現在」の意味である。この部分は「皇后は今まで」となる。

▼还一直难为惠妃吗(hái yīzhí nánwèi huìfēi ma)
「还」は状態の継続を表す副詞「まだ」「やはり」、「一直」も動作・状態が持続していることを表す「ずっと」、「难为」は「困らせる」「いじめる」「難題を吹っかける」などの意味の動詞、「惠妃」は恵妃のことで、最後に疑問の文末助詞「吗」がつく。

全体で「皇后は今(にいたる)まで、やはりずっと恵妃を困らせているのか?」となる。「难为」に含まれる様々な意味が「難癖をつける」に網羅されている。

皇帝は静妃が辱められたことは耳に入っていたのに、恵妃の写経は把握していなかった。その場にいたであろう皇帝の耳目の役割を果たす何者かから皇帝に報告が届いていなかったことになる。つまり現在靖王ともども寵愛を受けている静妃の動向が後宮において重視されていることを暗に示していると言える。

皇帝も把握していた皇后による恵妃への難癖の理由は、かつてほぼ同時期に生まれた皇后の実子と恵妃の皇子が、幼い時に同時に疫病にかかったが、恵妃の息子だけ助かったことを恨んでいるからだという。皇后の器じゃない・・・言闕さまの妹なのに。

そして恵妃や恵妃の皇子である寧王・景亭が、皇后の「難癖」に対し対抗しないため、大事にならないので皇帝は静観していたらしい。恵妃や寧王のストレスを軽視していて何だかイラッとする。

この回のやり取りに限ったことではないが、優しい考えを持たない皇帝に対し、慎重に言葉を選んで振る舞う静妃の言動は本当に勉強になる。2025年は静妃の言動ができる人間に一歩でも近づけるようにしたいと思う。

次回はこの回の蒙大統領と夏江のシーンを扱います。

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稲生瀬鴉(いのうせあ)
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