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ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第四十三集①
サブタイトルは「翻る叛旗」。
タイトル通り誉王が謀反を起こす!
でもまずは、第四十二集の終盤で静貴妃が梅長蘇に脈を診せてほしいと言い出したところから。
一会就好
静貴妃が梅長蘇の脈診を始めた。すると静貴妃は手が震え出し涙が止まらなくなる。母親の梅長蘇への申し出を訝しんでいた靖王だったが、さすがに心配になって声をかけると静貴妃が答えた。
一会就好
ー大丈夫よ(すぐによくなる)
静貴妃
▼一会就好(yī huì jiù hǎo)
「一会」で「ちょっとの間」、「一会儿」という言い方もする。「就」はここでは「すぐ」、「好」は「よい」なので、全体で直訳すると「ちょっとの間にすぐよくなる」。
静貴妃はこのセリフを2回繰り返しており、1回目の字幕が「大丈夫よ」、2回目の字幕が「すぐによくなる」となっていた。2回目の方が直訳に近いが、1回目は泣いて取り乱している状況からすぐによくなる=大丈夫と転じた訳になっている。彼女の涙の理由はこの後語られる。
挫骨削皮拔的毒啊
静貴妃は靖王を無理やり天幕の外に追い出し、梅長蘇に対し相手が小殊である前提で話す。既にお互い理解しているからこそ言葉で確認はない。梅長蘇も静貴妃に「静おば上」と呼びかける。家系図上、林殊の母親の兄(皇帝)の貴妃に当たる。
静貴妃には優れた医術があるので、脈診のみで小殊が天下一の奇毒である「火寒の毒」に侵されていたことがわかり、その過酷な治療内容を知っていたのだ。元々林家に仕えていた彼女は、そんな目にあった息子を持つ両親のことまで思って涙したのだった。
大丈夫だと言う小殊にそんな訳がないと声を大にして言う静貴妃。
その口から恐ろしい治療内容が・・・・
挫骨削皮拔的毒啊
ー皮を剝ぎ 骨を削ぐのよ
静貴妃
▼挫骨削皮拔的毒啊(cuò gǔ xiāo pí bá de dú a)
「挫」は「打撃を与える」「くじく」、「骨」はそのまま「骨」、「削」は「削る」「(皮を)むく」、「皮」はそのまま「皮」「皮膚」である。「拔」は「抜く」あるいは毒などを「吸い出す」「除く」で、「的」は連体修飾でこの直後の「毒(そのまま「毒」)」を修飾する。最後の助詞「啊」は感嘆、あるいはこの後続く言葉の前に間を持たせて相手の注意を呼び起こすために用いられている。
直訳調にすると「骨を挫いて(曲げて砕く)皮膚をむいて(剥いで)抜く毒なのよ」となる。字幕の方が自然な日本語になっている。
それにしても毒を抜く方法が凄まじい。脈診した静貴妃は小殊が火寒の毒に侵されて、耐えがたい苦痛を伴う治療を受けたことをがわかったのだった。
三国志演義の関羽さまみたいな手術・・?夏江の烏金丸の毒性にも勝る耐性を梅長蘇の身体につけた「火寒の毒」。これの全容が判明するのはもう少し先なのでご辛抱を。
この場面は次回も続けます。
現在のテレビ放映は来週月曜に第32集です!10年経っても繰り返し放映されている名作と言えるでしょうし、これからも放映されるべきドラマだと思います。
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