ドラマ『琅琊榜』で習いたかった中国語~第十集②
サブタイトル「次の標的」の続きである。該当する標的は人事を司る「吏部」だ。
有什么话说清楚
心楊・心柳姉妹がいる妓館で殺人を犯してしまった何文新の父親(吏部尚書)が、慌てふためいて誉王府に駆け込んで助けてほしいと訴えてきた。事件のことを知らない誉王は何のことか分からず尋ねた。
「有」は「ある」という意味で、ここでは「有」の後ろに基本的にその存在の主体が来る。「什么(何)」と「话(話)」で「何らかの話」となり、「有什么话」で後続の文章との関係性から「何か話があるなら」となる。
後ろに続く「说清楚」は「说(話す)」+「清楚(明らか、はっきりしている)」と言う構成で、「言いたいことがわかるようにはっきり言いなさい」という意味である。全体で誉王は「何か話があるなら、わかるようにはっきり説明しろ」と言っている。
字幕は何文新の父親に早口でどうしたのか聞いているセリフの一部なので、端的な文章になっている。
誉王は「季先生」という人物を呼び、その季先生の勧めで慶国公の事件でも出てきた刑部の斉敏のところで、一旦何文新の案件は止めておくことになった。
写得好
慶国公の案件の審理を終えた靖王が、皇帝へ結果報告のため謁見した。靖王の命で審理に加わった蔡荃が書いた報告を読んで皇帝が褒めた。
第四集①や第六集でも扱った様態補語である。「写」は中国語では「書く」、「好」は「良い」という意味である。「写得~」で書くという動作の結果、「好(よい)」状態だったと説明している。訳は字幕の通りなのだが、こんな感じに様態補語を含んでシンプルに使うこともできるのだと知った。
慶国公の事案の結果に皇帝は満足したのだが、靖王にはお褒めの言葉のみで、褒美はなぜか誉王がもらうことになった。後で誉王は靖王に埋め合わせをしようと色々提案し、最終的に靖王は宴席への招待を受けた。二人とも梅長蘇に言われたように誉王は靖王と近しくなるように、靖王は誉王が示す厚意にきちんと対応したのだった。
别难过了
場面変わって皇帝・蕭選の末弟である紀王の屋敷に言豫津と蕭景睿が来ていた。紀王は風流な人物で、美しい音楽や舞を好む。何文新による殺人事件のために心楊・心柳の舞が見られないと嘆いていたら、(おそらく)侍女たちが慰めた。
「别」は「~するな」という意味で、禁止される内容が後ろに来る。ここでそれは「难过」で、「つらい」「悲しい」または「つらい思いをする」などである。文末の「了」は制止を表す文末助詞であり、しばしば「别~了」の形をとる。直訳すると「悲しまないで」「つらい思いをしないで」となり、字幕ではもう少し軽やかなニュアンスになっている。
言豫津があの殺人事件がまだ解決しておらず妙だと言う。本当に何文新が殺したのだろうかと言うと、紀王はたしかに何文新が殺したのを見たと言ったところでこの回は終わる。
🖌今回の気になる単語帳
鹤蚌相争 渔翁得利
hè bàng xiāng zhēng yú wēng dé lì
全体で「漁父の利」らしい。日本語より長い!
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