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ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十四集②

サブタイトル「正しき選択」の続き。


你在家歇着吧

少し休んだ静妃は、具合が良くなさそうだった恵妃を見舞いに行くことにした。その予定を侍女の小新に告げたところ、小新がわざと咳をして静妃にこう言わせた。

你在家歇着吧
ー休んでいなさい

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第34話
静妃

▼你在家歇着吧(nǐ zài jiā xiēzhe ba)
「你」は二人称、「在」は場所をみちびく介詞で「~で」、「家」はそのまま「家」だが、静妃の芷蘿宮内にあるであろう小新の部屋のことだろう。

「歇」は「休む」で「着」は持続を表す助詞なので「歇着」は「休む状態を持続する」ニュアンスになる。「吧」は提案や命令を意味する文末助詞である。

全体で「あなたは家で休んでいなさい」なので、字幕はほぼ直訳と言える。

静妃が出かけると小新は静妃の寝所や奥の個室を密かに無断で探り、宸妃の位牌を見つけた。そして仮病を使って静妃の芷蘿宮を抜け出し、仲間の所へ報告に行くのだった。静妃はすでに小新を疑っているのにそんなことして大丈夫かな?

等你到了我这个岁数 我倒不希望你像现在的我

梅長蘇は新年早々に言侯府を訪ねていた。言闕さまと言豫津に衛崢奪還にあたり頼み事があって来たのだ。何を頼まれたかは次回以降のドラマの展開で判明する。

梅長蘇の依頼を受け、梅長蘇が帰った後、言親子は屋敷内の高台まで一緒に歩き、親子の会話をする。梅長蘇の依頼の話から靖王や祁王、宸妃の話に及び親子が似る話になる。言豫津が言闕さまに自分は母親に似ているか尋ねると、言闕さまは若いころの自分に似ていると答えるが、こうも続けた。

等你到了我这个岁数 我倒不希望你像现在的我
ー私の年になった時は今の私に似てほしくはない

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第34話
言闕さま

▼等你到了我这个岁数
(děng nǐ dàole wǒ zhège suìshù)
「等」は「待つ」という動詞だが、ここでは「~してから」「~になって」という意味である。「你」は言闕さまから豫津に対する二人称、「到」は「達する」という意味の動詞、「了」は未来のある時点における完成や実現を表す動態助詞と思われる。

「我」は「私」、「这个」は「この」、「岁数」が「年齢」なので、この部分は「おまえが私のこの年齢になって」という意味になる。

▼我倒不希望你像现在的我
(wǒ dào bù xīwàng nǐ xiàng xiànzài de wǒ)
「倒」はおそらく続く否定文の口調をやわらげるためのもので、直後にある否定の「不」+「希望(望む)」で「望まない」となるが、言闕さまが何かを望んでいないことを断固とした意味ではないニュアンスにしている。

何を望まないかというと「你像现在的我」で「你(おまえ=言豫津)」が、「现在的我(今の私)」に「像(~に似る)」である。中国語の語順だと主語(你)+動詞(像)+目的語(现在的我)になる。

全体で直訳調にすると「私はおまえが今の私に似ることをまあ望まない」となる。どうしてかは第十三集あたりの話に関連するかと。

言闕さまと言豫津がちゃんと親子で会話できるている・・・第十四集で一緒に年越しできるようになって、そこで梅長蘇のおかげで言家が助かったと知った言豫津が新年に梅長蘇にお礼を言いに来ていた。良くなった親子関係がきちんと続いている。

そして言親子の間で昔の話になり、話題が林殊に及んだ。言闕さまは19歳で死んだことになっている林殊の死を痛ましく思っている。豫津と高台に向かっている途中に「好きではない」と言った梅長蘇が本人なんだけど。

サブタイトルの「正しき選択」だが、梅長蘇は靖王の謀士として、正しい選択(=衛崢を救出しない)をさせられなかったことを悔いていた。しかし一方でそれをあっぱれに思って梅長蘇の依頼を快諾した言闕さま。甄平が言うように「物は考えようで何が正しい選択と言えるか」なんだろう。

🖌今回の気になる単語帳

轻举妄动 qīng jǔ wàng dòng
日本語でもある四字熟語で、軽はずみな行動を意味する「軽挙妄動」。靖王の昇格に憤慨する誉王に対し、謀士の秦般弱がこの昇格はただの褒美ではなく、赤焔軍の件では慎むようにという含みがあると指摘した。これに納得した誉王のセリフで、この言葉の直前に「不要(~するな)」があり、何をするなと言っているのかな?と思ったらこれだった。

靖王が赤焔事案をむやみに蒸し返すことは「轻举妄动」であり、それをするなという皇帝の意であった。

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