ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十五集③
サブタイトル「奪還」を扱うのはさすがに今回で最後になる。衛崢奪還作戦はまずは夏冬・言闕さまが動いているところだ。
把门打开
夏秋と分かれて夏冬が懸鏡司に戻って来た。守衛が出迎えて夏冬を門内に入れて門を閉めようとした時に夏冬が言った。
▼把门打开(bǎ mén dǎ kāi)
中国語の教科書にそのまま載ってそうな「把」を使った構文。いや、載ってたと思う。「把」の直後に述語の動作対象となる「门(出入口、門)」があり、その懸鏡司の門を「打开(開ける)」という意味になる。
「把」の直後に来る動作対象は、話し手と聞き手双方が承知している特定のものである必要があり、この場面でそれは夏冬が入って来た懸鏡司の門である。
最初に「把门打开」と言われた守衛たちは、なぜか分からず閉めかけたまま動きを止めてしまっていた。もう一度夏冬が強く「把门打开」と言った時の字幕は「開けるのよ」になっていた。
夏冬は見張り役の担当者を呼び出して奪還作戦の実行部隊が懸鏡司に突入しやすくしたのだった。上級の掌鏡使(諜報員)がいない懸鏡司にいる人員では江左盟の猛者たちの敵ではなかった。
だが夏江は懸鏡司に突入されることを想定して爆薬を仕掛けていると言闕に語る。自分の部下たちも子どもの時から弟子として育てた夏冬のこともお構いなしということだ。
謝玉が赤焔事案の真相について語った時に夏江が夏冬の夫を死なせていることが既にわかってるが、やはり夏江は非情な人物だった。そんな夏江に言闕さまが嫌悪感を隠さないでいるところでこの回は終わる。
懸鏡司に突入した江左盟や薬王谷(衛崢が名を変えて所属していた集団)の人々、夏冬や懸鏡司の配下たちがどうなるかは次の回で。
🖌今回の気になる単語帳
说话算数 shuō huà suàn shù
「言ったことは守る」という意味。字幕では「約束だぞ」となっていた。言豫津が紀王に「明天我带您去一趟」と言った時に紀王が返した言葉である。紀王が宮羽に会いたがり、仕方なく応じるようにした時のことだ。
この言豫津が紀王を宮羽に会わせることは後の衛崢奪還作戦後に重要な一手になる。放送中の琅琊榜は来週末で完全に追いつかれるところまで来た。周回するほどに味わいのあるドラマなのでぜひ!