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ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十六集②

サブタイトル「もう一つの戦場」の続き。急いで懸鏡司に戻って来た夏江と弟子の夏春だが、懸鏡司の様子は想定と異なっていた。

懸鏡司は実際に襲撃されはしたものの、牢に押し入られることはなく、そのため火薬も爆発せず撤収されていたのだ。この不可解な襲撃に靖王や梅長蘇の裏の裏を読もうとした夏江は、結局本当の衛崢の監禁先へ衛崢奪還作戦実行部隊(甄平、飛流、薬王谷の人たち)を誘導することになってしまう。

衛崢が捕らえられていたのは「大理寺」という別の機関だったため、懸鏡司ほど堅牢な場所ではなく、衛崢奪還作戦は成功した。

だが、ここから靖王は戦いが始まる。「もう一つの戦場」はここだ。梅長蘇としっかり打ち合わせして靖王はその場に臨んだ。夏江・誉王もいる皇帝の御前である。


真是委屈宫姑娘了

靖王が自身の戦場に向かっていた頃、言豫津と紀王は宮羽に会っていた。第三十五集で言豫津と紀王が約束していた件である。言闕さまと道観にいたのに言豫津は急いで移動したのか?宮羽が席を外した時に紀王が言った。

真是委屈宫姑娘了
ー宮羽さんが気の毒だ

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第36話
紀王

▼真是委屈宫姑娘了(zhēnshi wěiqu gōng gūniang le)
「真是」は不満の意で「ほんとうにまあ~」「実に~」というニュアンスで、「委屈」はここではおそらく動詞で「辛い思いをさせる」「気の毒な目に遭わせる」という意味である。「宫姑娘」は紀王の宮羽に対する呼び方で文末の「了」は変化や新しい事態の発生を表す文末助詞である。

全体で「実に辛い目に宮羽さんを遭わせてしまうことになった」となる。第三十五集で紀王は言豫津から「誉王妃の弟・朱樾が女好きで、彼を怒らせたせいで宮羽たちは逃げた」と説明を受けている。甥の義弟が迷惑をかけた状況である。

好嘞

現在の宮羽の暮らしぶりに同情した紀王は、付き人を手配しようと言い出す。これに言豫津が同意した。

好嘞
ーそうですね

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第36話
言豫津

▼好嘞(hǎo lei)
「好」は同意や承諾を表す応答の言葉で、「ええ」「はい」にあたる。「嘞」は軽めに断定の語気を表す助詞である。この場面では紀王が宮羽のために付き人の手配をしようと言い出したことに対する同意であり、断定の語気を含むため字幕は絶妙な語感に思われる。

この後彼らは、衛崢を夏冬が護送しているところを部屋から見かけてしまう。そこを紀王に見せることが梅長蘇たちの目的であった。

第36集はもう1回やります。
ちなみにテレビ放映は次回41話です。


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稲生瀬鴉(いのうせあ)
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