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ドラマ『琅琊榜』で学びたかった中国語~第三十七集②

サブタイトル「謀士の覚悟」の続き。
まずは前回の静妃と小新のシーンから見ていこう。


我要你一五一十地全都讲出来

静妃が小新に生き延びる条件として、離間の計の顛末を靖王に洗いざらい話すように言う。

我要你一五一十地全都讲出来
ー洗いざらい話してほしいの

琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす~第37話
静妃

▼我要你一五一十地全都讲出来
(wǒ yào nǐ yī wǔ yī shí de quándōu jiǎngchūlai)
「我」が「私」、「要」は今回は動詞で「要求する」「頼む」などの意味で直後の「你(小新)」は対象となる人物にあたる。「要」をこのように使う場合は必ず兼語を伴うので、「你」は後続のフレーズの主語になる。

「一五一十」は「一部始終」「全部」「細大漏らさず」などの意味で、助詞の「地」がついて直後の動詞句を修飾している。さらに「全都(すべて、すっかり、全部)」と同様の意味の副詞も重ねられて強調され、「讲(話す、説明する)」+方向補語「出来」がついて隠されていたものが明るみに出てくるニュアンスが添えられる。

全体で「私はあなたが全部すっかり話してしまうことを要求する」となる。「一五一十地全都」が「洗いざらい」で表現されている。

武英殿の方では皇帝の靖王への怒りは少し収まったものの、このままにするわけにもいかない。そのあたりも含めて夏江は、事態の調査のために梅長蘇を審問したいと言い出す。靖王は慌てるが、梅長蘇自身は既にこの展開を見越して配下に指示を出して夏江を待ち受けた。

懸鏡司の牢に入れられた梅長蘇のシーンで男性が歌う挿入曲が少し流れる。霓凰郡主の『红颜旧』のように靖王役・王凱が歌う『赤血长殷』で、こことあと1回しかドラマ中で出てこなくて貴重なので味わっていただきたい。ちなみに個人的にはこのドラマを周回するごとにこの曲で泣く確率が上がる。

🖌今回の気になる単語帳

无法无天 wú fǎ wú tiān
「法も神も眼中に置かない」「無法の限りを尽くす」などのように大胆不敵に悪事を働くことを表す言葉。夏江が靖王を陥れようとしたのではないかと皇帝に想起させる展開になってしまった時に助け船を出した誉王が、逆に靖王になぜ焦って夏江をかばうのかと問われて言い返す時に出て来た。

字幕では「その性分」としていたが、誉王は靖王のことを「无法无天的脾气(大胆不敵に悪事を働く性質)」と言っており、自分が善の前提(?!)のようだ。第三十六集で皇帝が言った「狼心狗肺」の時もそうだが、むしろそれは誉王ではないだろうか・・・・イヤなところが似た親子だ。

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