世界&日本のトップスプリンターを「胎児の姿勢」の完成度から分析してみる
アスリートのパフォーマンスを測るとき、私は、以下の3つの観点から見るようにしている。
これを、
抽象度の低い順に並べると:フィジカル→動作→マインド
抽象度の高い順に並べると:マインド→動作→フィジカル
となる。つまり、肉体レベルの話=フィジカル、機器を使って測定すれば測れるもの=動作、目に見えない高抽象度の情報処理=マインド…というように、抽象度の高低によって分けているのである。
そして、これは陸上に限らず野球の打者・投手でも同じなのだが、こと「フィジカル」面を見る時には、
をまず見る。
前後比は、以下のようにざっくりと理解すればよい。
そして、人間にとって最も「前後比のバランスが取れた状態」が、「胎児の姿勢」である。
つまり、胎児の姿勢(赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときの正常姿勢)とは、「限界まで前短く」かつ「限界まで後ろ長く」したときの姿勢と言える。
(ちなみに、胎児の姿勢は「人体の慣性モーメントを極小化できる姿勢」でもあり、一般に回復体位・防御体位と呼ばれる姿勢とも類似している)
そして、「胎児の姿勢」は、スタートの姿勢とほとんど同じである。
これを、スターティングブロックの角度がちょうど地面と水平になるように回転してみると、「陸上のスタートの姿勢」が「胎児の姿勢」の応用であることも分かりやすいだろう。
今回は、陸上スプリンターを例に取って、「前後の長さの比率」について解説していく。
(注:全部完成してから投稿しようと思っていたが、完成待ち方式ではいつまで経っても執筆が終わらないと分かったので、中途半端な状態ではあるが記事を公開することにした)
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