そしてやっぱり私は胴が短い。
「あっ、すみません、もう少し……」
皆まで言うでない。そこまでで十分に察しはつく。
「すみませんっ……」
そう言いながら、私はまるでいもむしのようにぎゅっと少し上に上がる。
これは美容室での一幕。
特に、初めての美容室でシャンプー台に促される際、いつも私はほんの少しだけピリッとする。
「ここのシャンプー台では大丈夫だろうか」
決して、断じて、私の座り方のお行儀が悪いわけではない。
むしろ気にしている分、あの倒れる前のイスの直角部分に食い込むくらいにしっかりと座るようにしている。
それでもやはり多くの場合、言われてしまうのだ。
「あっ……」
そこまでで大丈夫ですよ。わかります。
そしてまた私は、
いらぬ少しの羞恥心を持って、いもむしになる。
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