住んでいる街への愛なのね
何気なくみているインスタグラムで、あ、kokiがエディンバラ城を背景にした写真をアップしている、と目が釘付けになりました。何の撮影に来ているのかな、遠くまでご苦労様です。
kokiさん、東京には東京タワー、パリにはエッフェルタワーがあるように、エディンバラにはネルソンモニュメントがあります(無理やり大都市比較)のでぜひ、見ていってね*。
このNelson Monumentは丘の上に立っているので、実質地面から171mの高さ、遠くからでもよく見えるエディンバラのシンボルです。上まで登ればこんな景色、街が一望できます、
、と書きましたが、このネルソンモニュメント、2020年から、閉まったままになっております。説明によればコロナ禍によるとか、建物の老朽化によるとか、修理の資金不足とか(オフィシャルな説明なし)。
閉めたままでいつまでも放置をしているエディンバラ市に対して、
「一体全体どうなっているんだ!」
と疑問に思っている市民グループが集まり、「まずは中を見せてくれませんか」と詰め寄った場面を見に、本日、写真を撮りに行って参りました。
(、といっても実は、そういうことを言い出す夫に付きあわされているだけなんですけどね)。
手入れをしながらでも築200年、昔に建てられたものは丈夫にできていますね . . .
お役所仕事
日本と同じで、世界どこでもお役所というのは、時間と手数ばかりかかって融通のきかない仕事のやり方をします。エディンバラ市も同じこと。エディンバラの街のシンボルであり、観光のお役目を担う大事なモニュメントなのに、何年も放置したままで、しかも誰もその責任に問われることのない状態が続いているようです。
中にちょっと手を入れれば明日にでも再開できそうな内装なのに。
そういうお役所仕事に市民が疑問を呈する、プレッシャーを与える、文句を言う、情報開示を求める。こういった行動を起こす人々を眺めながら、なんて大人な人たちなんだろうと心の中で拍手を送ります。世の中に自分個人のためではなく、公共のマインドを持ってこういう立ち上がって文句を言う人々、大きな見えない組織に向かって戦う姿勢を見せる人々がいると言うことになかなか気がつく機会は少ないですが、これは地元愛の表れなのだろうか。
地元愛と町内会
思いだすも小さい頃は町内会の存在は知ってたけど、鬱陶しいイメージ、おじさんおばさんの独壇場。自分が社会人になってからは仕事が忙しくて町内会どころではない。今なんかは外国人の身分だと町内会はノータッチ(夫任せ)。でも実は町内会って一番身近な問題を一番民主的に話し合ったりみんなで取り組んだりする小さな政治の基礎になる、公共心を育てる場であったのではないか . . 。
若い人が選挙に行かない、大多数の人が政治に無関心、そう言う日本は思うに一番ベーシックな政治=町内会という存在が都会にはあまりなくなってきていて、田舎にしか残っていないことが問題なのかもと思ったりします。まあ、しかも、都会には地元愛という概念が存在しにくいしね。
住んでいる場所・街・ご近所さんを愛する
いつだったか「割れ窓理論」(地域で1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまう)について触れましたが、ゴミが1つ落ちていればゴミだらけになる、落書きが1つ放置されていると落書きだらけになる。
その逆に、住んでいる人々みんなが住んでいる場所を大事にしているという理想的な状態は、落ちているゴミをみんなで拾い、割れたり壊れたりしているものを治すように自治体に働きかけ、落書きはされてもされても消す努力などであって、はい、どうぞとお膳立てされてできる環境ではないと言うことになります。真新しいタワマンも新興住宅地でも一時的には美しく完璧でも、それを維持していく住民の努力は必須なのでは。
ハウツー物 成功秘訣本の「住む場所が大事」の教えですが
大事なのは住む場所を変えろと言うことではなく、そう言う自分の住む場所コミュニティを作り上げていく自分自身の行動力であったりするのではないかと思ったりします。
愛とは努力の積み重ね、たゆまぬ努力、ですね。
*と冗談で書いてたら、本当にネルソンモニュメントを見に行ってくれたkokiさん、スクリーンショット(21/1/24)。