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昆虫の写真を撮る

倉庫に眠っていたNikonのマクロレンズを引っ張り出してきて、昆虫類オーバービューに挑んでおります。昆虫学者のクレイグが色々見つけてきたものたちをアシスタントになって、記録撮影するのが私の役割。

倉庫に眠っていたマクロレンズ

アーティストであるエレンは、同じカメラを使ってかっこいい写真をバンバン撮ったというのに

エレン撮影
エレン撮影

対象が動くのと、小さいのと、なかなかピントがバッチリ合わせられなくて苦労しております。もしやiPhoneで撮ったほうがいいのではないかという気持ちもなくはないですが(iPhoneで撮影の場合、Portraitを使うといいとか、0.5 にして撮るといいとか色々ハックがあるようですね)

クレイグによると山林内、一番数が多いのは多分アリだろうということ
巨大アリもいます
トノサマバッタ Locusta migratoria
アフリカモーリタニアで前野ウルド浩太郎さんが格闘しているトビバッタと同じLocustaだということを教えてもらい、親近感あり。これが群生相となると大発生してあの絶大な農業被害を引き起こすのかと思うと、いやいや、恐ろしい。
定番のキラキラ系
キラキラしているものを写真に撮るのが楽しくて仕方がない
木の幹に穴が空いているのはカブト虫により開けられたものの可能性が高いそうです
そういう目で周りを見ると、ひっそり幹に隠れていたりするのです
私はクレイグの見つけてくるこういう生き物たちを全く知らなかったことを恥じつつ
そして山林に棲む多くの生き物がこれほどまでに小さいということさえも知らなかった
昆虫の世界は実は、小さい

若い女子が、男性のつい見てしまうところという話の流れで

「手が綺麗なひと(男性)が好き」

というのを私は横目で見ながら、けっ、どうして男の手なんかが気になるのか、と思っていたのですが、実際、こうやってクレイグの手に乗せられたり捕まえられたりしている小さな生き物の写真を撮りながら、この手(というか仕草というのか)が魅力的だなあと密かに思っています。なんといえばいいのか、繊細で、優しくて、経験値が高く、無駄がない手なのです。

片手でプラスチックチューブのボトルの蓋を開け、昆虫をサンプルにとり、片手でボトルの蓋も閉められる、そういうこと、見ていて割と感激しちゃう。


そうそう、初日、クレイグがこの写真の小さな小さな蛾?を発見して、撮影に苦労→小さすぎてなかなかピント合わず。そのうちにロストしてしまいました。

クレイグが取り憑かれている小さな白いコイツ

またすぐに同じやつを見つけるだろうと思いつつ、その場を去りましたが、いまだにまだ二匹目が見つかっておりません。

この赤い線が入った小さな虫がクレイグは気になって気になって仕方ないという昆虫学者ならではの「取り憑かれ」状態になり、どうしても「もう一度コイツに出会いたい症候群」に陥っています。今日、これから、クレイグはコイツ探しの旅に出かける予定。さあて、もう一度、出会えるでしょうか。


飛ぶなよ〜 飛ぶなよ〜
昆虫との出会いは一期一会になったりしやすい


今回昆虫類オーバービューですが、今まで注目してこなかった色々なことに気付かされました。たとえば、ササ(クマイササ)に注目すると、こうやって点々の穴はまだ若葉の丸まっている時に虫に食べられたもの vs 広がってから虫に食べられたものの両方あることに今回気づきました。

若葉のうちの食べられた跡
広がってから食べられた跡
ササはもうそこらじゅうに蔓延しているので、虫がどんどん食べてくれれば嬉しいんだけどなあ
虫食い後にも注目して歩く

8月の山林内は花の数が春に比べると少なく、2種類程度の小さな花々とアザミくらいしか咲いていないのです。蝶もミツバチも数少ない秋一歩手前の花々に必死で集まってきていました。花そのものはアザミのようにトゲトゲしていたり、太い茎の割には花が小ぶりで、園芸種のようにまあ、美し〜いと立ち止まるような華やかさは全くないのですが、地味などこにでもあるような雑草のような花がどれだけこういう虫たちを支える基盤になって、こういうのが大事なんですね。

アザミ
実はスコットランドの国花です
さすがスコットランド、地味なアザミを国花にするなんて。
花そのものは華やかさに欠けるけれども、大事な自然の恵


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