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宮沢孝幸氏のツイートを見て、K値考案者中野貴志教授の定義する 「Rw」 とは何かを調べてみたら、やっぱり実効再生産数のようなものだった件。


一つ前の記事で「K値」とは、感染症の基本モデルである「SIRモデル」の「再生産数」との関係だけで決まってしまう、質の悪い指数に過ぎないのではないか? ということを書きました。

その後、京都大学の宮沢孝幸氏が、K値を基に今後の感染者数のピーク予測に関するツイートを行っていたので、「K値を予測に用いることの妥当性を教えていただけないか」とツイートしたのですが、残念ながらお答えは今のところいただけていないです。捨てアカからのクソリプのようにも見えるでしょうから、それは仕方がないですが。

宮沢孝幸氏の一連のツイートの中で、K値のグラフとともに提示されていた見知らぬ数値 『Rw』 というのがあり、これは何だろう?ということで調べてみました。

K値考案者の中野貴志教授が出されている以下のスライドによると Rw とは

Rw = (新規陽性者数) / (1週間前の新陽性者数)

と定義されています。

それだと、ほぼ実効再生産数を推計する計算式のようなものなんですよね…

東洋経済ONLINE の「新型コロナウイルス国内感染の状況」というサイトの「実効再生産数とは何ですか?」というところに以下の説明があります。

Q. 実効再生産数とは何ですか?
A. 「1人の感染者が平均して何人に感染させるか」を示す指標です。この数字が高いほど感染が急速に拡大していることを意味し、逆に1未満の期間が続けば「感染が収束しつつある」といえます。計算式は「(直近7日間の新規陽性者数/その前7日間の新規陽性者数)^(平均世代時間/報告間隔)」です。平均世代時間は5日、報告間隔は7日と仮定しています。リアルタイム性を重視して流行動態を把握するため、報告日ベースによる簡易的な計算式を用いています。精密な計算ではないこと、報告の遅れに影響を受けること、陽性者が少ない都道府県では数人の差で大きく実効再生産数が変動する場合があることにご注意ください。北海道大学大学院医学研究院・西浦博教授のモデルと監修を基にしています。(以下略)

Rw のほうが「平均世代時間」を考慮に入れていないだけで、やっていることはほぼ同じです。実効再生産数を1.4(=7/5)乗すると、Rwがおおよそ計算している、週間増加係数的なものになります。

Rw が実効再生産数と同様のものであるならば、Rw も「 1以下になるようにコントロールされるべき」なのではないかと思うのですが、ツイートを見ると、なぜか「1.5」のところにラインが引いてあるんですよ。

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1週間に新規感染者数が1.5倍になるのを許容すると、4週間で
1.5^4 = 5.0625倍
の新規感染者数を許容することになって、大変なことになると思うのですが。

SIRモデルが感染者数増加の予測に有効なものであるかは、検証の余地があると思います。しかし、K値 と Rw というものについては、それ以上に検証がされておらず、グラフやラインの設定に恣意的なものを感じざるを得ないです。

これを国民の生命にかかわる新型コロナウィルスの感染拡大の数理モデル的に有意義なものかのごとく、数字が苦手な一般に拡散をしようとすること自体、停止すべきではないかと個人的には感じるのですが。

これには、合理的な予測という根拠が見つかりません。

コロナでろくに仕事もできないので、暇つぶしに数理モデルで今回のコロナウィルスの動向を分析しています。