見出し画像

日本橋日枝神社へ初詣に行ってきました

東京都中央区日本橋茅場町に佇む日本橋日枝神社は、赤坂日枝神社の境外摂社として知られ、その歴史は400年以上にわたります。

歴史

日本橋日枝神社は1590年(天正18年)、徳川家康が江戸城入城の際に、日枝大神を崇敬し、その神輿を当地に安置したことが始まりです。江戸の発展とともに、地域の人々に信仰され続けてきました。

また、現在の場所に社殿が造られたのは江戸時代初期とされており、商業や交通の中心地である日本橋エリアに位置することで、多くの人々の信仰を集めてきました。

江戸時代、日本橋は江戸幕府の政策によって商業・物流の中心地として整備されました。まず、日本橋は五街道の起点として全国から物資や人々が集まる交通の要衝でした。さらに、近隣には魚河岸(現在の築地市場の前身)が設けられ、新鮮な魚介類が集まりました。川や運河が縦横に張り巡らされ、水運を利用して全国からの物産が効率よく運び込まれたことも大きな要因です。また、幕府公認の「問屋」が軒を連ね、商人たちは安全かつ繁栄した取引を行うことができました。商業活動を支える法整備や治安維持の仕組みも整い、活気あふれる商業街へと発展したのです。現在でも日本橋はその歴史と伝統を受け継ぎ、多くの老舗や企業が軒を連ねています。

日本橋が商業街として栄えた理由

赤坂日枝神社との関係

日本橋日枝神社は、赤坂日枝神社の境外摂社として位置づけられています。赤坂日枝神社は江戸城の鎮守として徳川家康の時代から崇敬を集め、江戸城を守護する重要な神社でした。その分社として日本橋に創建されたのが日本橋日枝神社であり、赤坂日枝神社と同様に「日枝大神」を祀り、地域の守護神として人々に信仰され続けています。

日枝大神とは?

日枝大神(ひえのおおかみ)は、主祭神である大山咋神(おおやまくいのかみ)を中心とした神々の総称です。大山咋神は、山や水を司る地主神であり、万物の成長発展や産業の生成化育を守護する神とされています。また、以下の神々も含まれます:

  • 国常立神(くにのとこたちのかみ):大地の基盤を象徴する神。

  • 伊弉冉神(いざなみのかみ):子授けや安産の神徳。

  • 足仲彦尊(たらしなかつひこのみこと):国家の安定と繁栄を祈念する神。

御祭神とご利益

主祭神として祀られているのは以下の神々です:

  • 大山咋神(おおやまくいのかみ):山や水を司り、産業や成長を守護します。

  • 国常立神(くにのとこたちのかみ):大地の基盤を象徴する神。

  • 伊弉冉神(いざなみのかみ):子授けや安産のご利益があります。

  • 足仲彦尊(たらしなかつひこのみこと):国家安泰の神。

相殿には以下の神々も祀られています:

  • 菅原大神(菅原道真公):学問の神。

  • 稲荷大神(宇気母智神):商売繁盛の神。宇気母智神は食物や穀物を司る神であり、これが商売繁盛の象徴とされる由縁です。

  • 浅間大神(木花佐久夜比売命):子授けや災害除けの神。

見どころ

  • 上向き狛犬:関東大震災後の昭和9年(1934年)に復興と運気上昇を願って奉納された珍しい狛犬。全国的にも珍しい上向きの姿が特徴です。

上向き狛犬

1923年9月1日、関東大震災が首都圏を襲い、日本橋も壊滅的な被害を受けました。地震による揺れだけでなく、その後に発生した火災が多くの建物を焼き尽くし、江戸時代から栄えた商業の中心地は一瞬にして灰燼に帰しました。木造建築が密集していたため火の手は瞬く間に広がり、逃げ場を失った多くの人々が命を落としました。しかし、日本橋はその後、復興の象徴として立ち上がります。震災後の都市計画により、耐震性に優れた鉄筋コンクリート造の建物や広い道路が整備され、近代的な商業エリアへと生まれ変わりました。歴史的な街並みと新しい建築が融合し、日本橋は再び商業の中心地として賑わいを取り戻したのです。

関東大震災と日本橋
  • 明徳稲荷神社:商売繁盛や家内安全を祈願する人々で賑わいます。

  • 境内の規模:日本橋日枝神社の境内は比較的コンパクトであり、都会のビル群に囲まれた立地が特徴です。しかし、その限られた空間の中にも歴史的価値や神聖な雰囲気が凝縮されており、多くの参拝者にとって心安らぐ場所となっています。

初詣の様子

日本橋日枝神社では、毎年初詣の時期になると多くの参拝者で賑わいます。特に新年の三が日は、家族連れや会社員など幅広い層の人々が訪れ、商売繁盛や家内安全、健康長寿などを祈願します。境内には縁起物の授与所が設けられ、破魔矢やお守り、絵馬を求める人々で活気に満ちます。また、近隣のオフィス街からも多くの人々が訪れ、新年のスタートをこの神社で迎える姿が見られます。

おみくじや小物が販売されています。おみくじは200円から。

アクセス

  • 所在地:東京都中央区日本橋茅場町1丁目6番16号

  • 最寄駅:東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町駅」9番・10番出口より徒歩1分

  • 駐車場:参拝者用駐車スペースあり(事前確認推奨)

茅場町(かやばちょう)の名前は、江戸時代にこの地が「茅(かや)」の取引場だったことに由来します。当時、茅は屋根を葺く材料として広く使われており、建築資材として重要な役割を担っていました。江戸の都市拡大に伴い、需要が高まった茅を扱う商人たちがこの地に集まり、市場が形成されました。特に日本橋近辺は物流の拠点であり、水運を利用して各地から茅が運び込まれました。次第に「茅場町」と呼ばれるようになり、商業地として発展していきます。現在では高層ビルが立ち並ぶオフィス街となっていますが、地名にはかつての商取引の名残が色濃く残されています。

茅場町

まとめ

日本橋日枝神社は、地域の歴史や文化、そして多彩なご利益を今に伝える貴重な存在です。学業成就や商売繁盛、子授けなどの願い事がある方は、ぜひ一度足を運んでみてください。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集