近づく朝の静けさ
冬の未明、3時頃からその音は響く
地鳴りのような除雪の音と小さな揺れ
ぼやけた頭で音を聞き夜の間に降った雪の多さを想像する
冷たい空気で布団から出ている顔だけがかなり冷えているのが分かり、それなりに降ったであろうことを理解する
除雪車が近くを通ると音の大きさで必ずと言っていいほど目が覚める
これだけ聞くと、雪がない地方の人は鬱陶しいだろうな、と思うかも知れない
けれど、実はそうではない
不思議なことに、除雪車が通ると冷たい空気が少しだけ暖かくなって感じる
それだけ早くから頑張っている人がいる、と言う事実は私たちを励ます
除雪車の音って
朝が来る合図のようでわたしは好きだなぁ
除雪車の運転には相当な訓練やコツがいるそうで、
除雪が終わった後の道には
ガタガタの道もあれば
とても走りやすい道もある
除雪後の道路は個性にあふれている
「○○地域の除雪車は除雪が上手い」だとか「下手だ」だとか話しながら、皆んな楽しそうに励まし合い、慎重に道路を行き来している
「雪は嫌だね」と言いながら、皆が心のどこかで雪を切望しているようにすら感じられる
実は面白いことに、毎年必ず田んぼに車が落ちる
スピードはそれほど出していないため、命に関わる事故はほとんどないのだけれど、最初の除雪の日、いわゆる雪がどかっと振った日にはそう言う車が必ず一台はいる
それを見て、皆が改めて気を引き締めてまた車を走らせる
今年も少しずつ除雪の音が近づいて来た
去った後の除雪車は早朝の静けさを際立たせる
新しい朝が来た
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