『スクラップ・アンド・ビルド / 羽田圭介 』
2020.12.29
★★★★☆ 4
---説明---
「早う死にたか」毎日のようにぼやく
祖父の願いをかなえてあげようと、
ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。
日々の筋トレ、転職活動。
肉体も生活も再構築中の青年の心は、
衰えゆく生の隣で次第に変化して…。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、
新しい家族小説の誕生!第153回芥川賞受賞作
---感想---
"祖父の老い"と"孫の若さ"が対照的に書かれていて
面白かった
色々な所が痛み、普通にできた事が
日々できなくなる事の辛さから「死にたい」と願いつつも、
欲によって満足したくなるし、
甘いものは美味しいし、
心底では常に生きたいと願う祖父
そんな祖父を憎らしく思いつつも愛しく思う孫の
"キツいけど優しい小説"という感じで良かった