おすすめ本『歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3』(著)宮口幸治
宮口幸治さんの「ケーキの切れない非行少年たち」のシリーズの新刊が出たので購入した。
人は誰もがどこか歪みを持っている。大きな歪みは問題を引き起こす。
・怒り
・自己愛
・嫉妬
・所有欲
・判断
の5つの歪みについて、実例を挙げながら書かれており、わかりやすかった。
自己愛者の研究を続けている僕は、やはり自己愛の歪みが気になる。
僕が出版した自己愛に関するkindle書籍では、自己愛パーソナリティ障害とまではいかなくても、その傾向を持っている人を自己愛さんと称した。
こちらの本の中でも、程度が少しだけ低いグレーな自己愛者について言及しており、参考になった。
最終章の第4章は「歪みの壁を乗り越えるために」となっており、具体的な方法が記されている。
人生には上手くいかないことが必ずあるが、そういったときに「どのように解釈してどう考えるか?」で折り合いをつけられるかも、しっかり書かれていた。
「不幸を招く人」は「不幸になりたい」と不幸を切望しているわけではない。「幸せになりたいのに、なぜか不幸を招く」という地獄に陥っているのだ。
客観性を持つようになると自己認識が変わる。
ぼんやりと捉えてた自分が輪郭を持つようになるのだ。
自己認識が変わると他者への認識も変わる。
医療少年院に勤務していた宮口さんがわかりやすい筆致で、幸せになるための解釈について深堀した一冊である。
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