某プロ野球選手の加害報道「若くして大成功した選手が傲慢になる理由」
スポーツが盛んな高校に通っておりました。
そしてその高校には、スポーツ推薦で入ってきた人間が、わんさかいました。
フィジカルに優れ体が大きく、そして気の荒い彼らは、HSP気質の僕にとって恐怖の対象以外の何者でもありませんでした。
全員で40人のクラスに、ジャイアンみたいな人間が少なくとも5人以上いました。
男性ホルモン旺盛な彼らはよく覇権争いをしていましたが、これなんか教室で数人のボブ・サップが全力で殴り合っているようなものですからね(笑)。
超内向的で小心者な僕は教室の隅っこを陣取り、彼らから目をつけられないように身を縮めて過ごす、萎縮しがちな青春を過ごしました。
ですので大型の肉食恐竜が跋扈していた時代に、隅っこでコソコソしてた小型哺乳類の気持ちは、わかるつもりですよ(笑)。
若き野球選手の人間教育
最近、あるプロ野球選手の加害事件が報道されています。
昨年も、別の選手ですが同様の被害が報道され話題となりました。
今回の事件は描写するのに、はばかれる内容ですので詳細は割愛しますが、加害容疑の掛けられている選手は、現在試合に出場できなくなる事態にまで発展しています。
北新地によく出入りされ、プロ野球選手の遊び方をたくさん目の当たりされている、ある人がおられます。
その方によると、「品行方正で北新地でも飲み方が綺麗だったプロ野球選手は、自分が見た中ではたったひとりしかいなかった」のだとか。
ちなみにその唯一の選手は、読売ジャイアンツの選手。(※こちらの情報は僕が直接見たわけではなく、あくまで伝聞です)
一部の若くして成功し、富やお金を手にしたアスリートが加害者になり、スターの座から凄い勢いで転落する事例があります。
ノムさんこと野村克也さんは盛んに「プロ野球選手は若いときに、人間教育をしっかりされることが重要である」とおっしゃっていました。
また「監督の仕事で大事なのは人間教育、社会教育」という言葉も残されています。
加害者側は、そもそも加害の自覚がない
こちらの動画を見ていて「なるほど!」と思いました。
歴史から様々なことを学ぶコンテンツ『コテンラジオ』をされている深井龍之介さん。
彼が編集者の佐渡島庸平さん(『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』を手掛けた方)との対談で、
「歴史を深く分析している感じることがある。若くして成功した人間は、人の気持ちがわからなくなり、それによって命を狙われやすくなる。しかし当人は、なぜ自分がそういった危機に瀕しているかわからないまま、幕引きを迎える」といった旨を語っておられました。
「俺のパフォーマンスを見てくれ!」というナルシスティックで自己陶酔しがちなアスリートの方が、パフォーマー適性高めの印象を持っております。
全員ではないでしょうが、基本的にアスリートの自己愛は高めかもしれません。
また男性ホルモンであるテストステロンは、競争心や闘争心に関与していますので、アスリートのテストステロンの値は、かなり高いと予想できます。
自己愛が歪な形で強まると、しばしば支配、搾取などを含む加害行動をとりやすくなります。
自己愛者の心理分析や累計については、下記に詳しくまとめてありますので、興味を持たれた方はどうぞ。
反対に散々苦労を重ねて大成する大器晩成の人ほど、色々な報われなかった体験を重ねているため、人の気持ちが汲み取れるようになります。
心の知能指数であるEQも体験によって高まるのでしょう。
確かカーネルサンダース氏も、還暦を超えてから大成功を収めておられます。
個人的にHSPにとって重要なのは「諦めない心、考え続ける頭、行動のあとはくよくよ反省するのではなく客観的に内省」だと感じています。
このスタンスを見失わなければ、きっと道は開けます。
結晶性(言語性)知能と流動性知能
さて、先日投稿したこちらの記事。
後天的に伸ばせる知能である言語性知能、結晶性知能について記しました。
HSPや繊細さんの生き方のひとつとして、この言語性知能をゆっくりと発達させていくことが重要であると感じています。
言語性知能が高まれば仕事で成果を出せるようになりますし、対人関係も良好になるからです。
プロ野球選手などのアスリートは、フィジカルにばかり目が行きがちですが、実は地頭がよくないと成功できません。
試合では毎回違う状況が訪れます。刻一刻と変化する場面で、当意即妙な決断を下す力がないと高いパフォーマンスを発揮できないからです。
結果を出すアスリードほど地頭が良い
つまり成功しているアスリートは、基本的に地頭がよい人が多数。
地頭に関する知能は、流動性知能と呼ばれます。
瞬発力、集中力、インスピレーション、パターンの発見などに関するのが流動性知能。
流動性知能の方は、先天的に備わった能力です。
こちらの知能が高いと、人生の早い時期に結果を出しやすくなります。
流動性知能の高い人が若くして成功した場合、「結果を出せたのは全部、俺の能力!」と思い上がるケースも。
こういった方は地頭の良さで成果を出す力はあるものの、心の知能指数であるEQの方が育っていません。
ゆえに「自分は何をしても許される存在」といった傲慢さが出てしまい、加害事件につながります。
人に雑に扱った「しっぺ返し」は甚大
先ほど、ご紹介した深井さんの対談で「命の危機に瀕する人は、自分がなぜそういう状況に陥っているのかわかっていない」と語られていたことに触れました。
加害事件を起こした当人も恐らく、なぜ週刊誌にリークされたのかや、恨みを買ったのかが理解できていません。
恐らく寝耳に水の感覚だと思います。
しかしそれは驕り高ぶり、人を雑に扱った結果でしかないのです。
因果の始まりが自分のうぬぼれにあることに気づけないと、人生は取返しがつかない事態に陥ることがあります。
今回の当該するプロ野球選手を訴えた方は「強い処罰感情を持っている」と報道されています。
それゆえ「示談では済まさない」という気持ちになっておられるのでしょう。
試合の欠場を余儀なくされた選手を見て、「人は誰でも油断すると人間はすぐに増長してしまう。それゆえ自分も内省を欠かさずに調子に乗る自分を戒める習慣をつけよう」そんなことを感じました。