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憧れのボノボ社会「ホモソーシャル文化で疲弊した日々」

少し前に「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」という映画についての記事を投稿しました。

こちらは、様々なことに傷ついてしまう繊細さんを描いた作品なのですが、細田佳央太さん演じる七森剛志が、久々に地元へ帰る場面がありました。

地元の友達と居酒屋で飲むことになった七森剛志は、そこで女性経験のないことをからかわれ、やるせなくなりそのままお店を飛び出します。

七森剛志を追いかけた友人は「酒の席でのイジりだから、気にすることないよ」とフォローするような言葉を掛けますが、もちろんそれで七森剛志の傷が癒えるわけではありません。

このシーンを見ながら、「若い頃に年長者の男性から、こういうイジりをされたことがよくあったなあ…」と、しみじみ映画館で思いました。

男同士の絆文化「ホモソーシャル」

ホモソーシャルという言葉があります。

ホモソーシャルとは、男性同士の結びつきや『男同士の絆』を意味する社会学の用語なのですが、この言葉を知った際「ホモソーシャル文化がずっと苦手だった」ということを自覚しました。

僕は昭和生まれで今、四十代ですから、学生時代は昭和文化の残滓のようなものが、そこかしこにあり「それが正しいものだ」と思い込んで生きていた時期がありました。

「男は〇〇すべき」「女は〇〇すべき」といった、べき思考が、ホモソーシャルには必ず入っています。

ホモソーシャル文化にどっぷりつかっている人間の集まる飲み会は地獄です。

耳を覆いたくなるような品のない話が飛び交い、経験人数の多さを声高に語るホモソーシャルおじさんがどれだけいたことか。

数へ執着している彼らは、人を物のようにカウントしていることにもちろん気づいていません。

ホモソーシャルおじさんの特徴をいくつか挙げると、「体育会系」「競争を好む」「声がでかい」「体格がいい(男性ホルモンが多い)」になるでしょうか。

しかし、ホモソーシャルが賛美される時代は終わり、明らかに潮目が変わりました

吉野家の「シャブ漬け」発言などからもわかるとおり、令和の現代でも、まだまだホモソーシャルおじさんはたくさんいます。

「こういう人とは付き合いたくないな~」という僕の中でのベスト3位以内に、ホモソーシャル文化に染まった男性というのは確実に入っていますね。

今は何かと大変な時代ではありますが、だんだんと男らしさへの固執が薄まってきたこと自体、僕はプラスに受け止めています。

今、仲良くさせてもらっている人は、男女ともにフラットですね。

長期的に仲良くさせてもらっている男の友達は、みんな配慮ができて、どこか繊細なところがあって、そしていい人ばかりです。

ホモソーシャル文化に背を向けても、自分軸を持っていれば全く持って困りません。

平和な猿・ボノボ

さて話は変わって、ボノボという猿がいます。

チンパンジーとよく似ているのですが、別種のボノボはアフリカのコンゴ民主共和国のみに生息しています。

ボノボは「平和な猿」と言われており、争いを好みません

子殺しをしたり、派閥争いを繰り広げて残虐な攻撃を加えることの多いチンパンジーとは正反対のボノボ。

『志村どうぶつ園』の人気チンパンジーだったパンくんも、成熟した後、人間を襲う事件を起こしていましたが、

元来、チンパンジーは加害的で凶暴な性質を有しています。

チンパンジーが縦社会だとしたら、ボノボはどちらかというと横社会です。

ボノボは平穏な生き物なので、人間と一緒に出ている動画も多く、言語を覚えさせる実験を行った博士も。

こちらの動画は、中々ユーモラスな内容です。
ボノボの知能の高さ、社会性の高さがわかるので、もしよかったら観てみてくださいね。

こちらはボノボについて短くまとめられた動画です▼


ボノボを語る上で外せないのが、ホカホカという行為

性行為のような行動を頻繁にとることには、もちろん意味があります。ボノボはお互いの体を合わせることで、オキシトシンを分泌しているのでしょう。
オキシトシンはハグすることで自然と分泌されます。

ボノボは喧嘩に発展しかねない緊迫した事態に陥ると、率先してホカホカをし危機回避をするそうです。

彼ら彼女らは、平和的な解決方法を知っているのです。

生まれ変わるならボノボがいい(笑)

かつて男らしさが賛美されるような価値観の会社で、数年働いたことがありました。

チンパンジーの集団のように、派閥争いが絶え間なく起こっており、そういう気風が合わない僕はどんどん疲弊していきました。

今、いくつかのコミュニティに所属していますが、いずれもマチスモ文化とは縁遠い平和な集まりばかりですね。

価値観を押し付けあわず、正論や正義にこだわらない、横の関係の集まりが自分には合うようです。

「生まれ変わるならチンパンジーではなく、ボノボがいい。ボノボの方がしっくりくるし、毎日楽しいだろう」と感じています。

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