正しさや正義の押し付けをやめた途端、夫婦関係が上手くいき始めた
うちの夫婦はあと数年で、結婚10年目を迎える。
子供がおらず、ふたり静かに慎ましく暮らしている。
振り返ると色々あったが、ここ数年は喧嘩もなく平和で楽しい。
交際期間が数カ月と短かったこともあり、新婚時代は価値観の違いで揉めることがあった。
原因を辿っていくと、そのほとんどがお互いの信じる正義の衝突で発生していた。
ふたりでいるとき揉めることはないのだが、そこにお互いの家族でやったり友人、知人など誰かが絡んでくると問題が起こりやすい。
お互い、体育会系のようなゴリゴリの縦社会が苦手で、お互いの境界線を大事にする文科系だ。
結婚当初「これは〇〇が絶対正しいでしょ?」という信念がぶつかりあい、喧嘩に発展することがあった。
妻の「自分の愛する人をないがしろにされたと感じた時に、怒りが生じる」という価値観がわかってから行動を改めた。
僕も妻も「主観的な正義と正論で、人を処罰しようとする好戦的な人がとても苦手」というのは共通している。
基本的にふたりとも平和主義なので、争いを好まない。
なので相手を論理で屈服させたり従わせようという価値観を持っていない。
これが結果的によかった。
「絶対にこれが正しいから、こうすべきだ!」と絶えず主張するような原理主義者だったら、喧嘩が絶えなかっただろう。
処罰感情の強い正義漢の目線は、いつも高い位置にあるものだ。
正しさや正義は暴走しやすく、人の心を一瞬で破壊する。
壊れた心は元の状態に戻りにくく、回復にはかなりの年月を費やす。
だからこそ、自分の正しさを主張するときほど、言い回しに気を付けるし、押し付けになっていないか慎重になった方がいいかもしれない。
最近知り感銘を受けた言葉がある。
正しさを主張するときは臆病なくらいがちょうどいい。
夫婦の間でも、正しいという信念を述べるときは、衝動性を押さえて優しくふんわり伝えた方がいい。
我が家はこんな価値観で、今日もゆるい空気の中で平穏な暮らしを送ってくる。
家庭の中に風紀委員などいらない。