HSPやINFJは相手を「多面的な存在」と捉えることで、人間関係の失望を軽減でき穏やかになれる
若い頃の僕は、相手に期待しすぎることが多かった。
少しでも期待外れの面が見えたら「裏切られた」という気持ちになり、相手を嫌いになったことも多々あった。
その後、心理学を学んだことで、防衛機制の「スプリッティング(分裂))」という概念を知る。
相手を過度に理想化してしまう人は、少しでも意に沿わない行動をとられると脱価値化を行う。
相手を「天使か悪魔か」のようにジャッジする極端な認知を持つ人ほど、スプリッティングで苦しむ。
年齢を重ねるとともに「自分も相手も多面的な存在である」と捉えられるようになった。
機嫌のいいときもあれば、不機嫌なときもある。コンディションのいいときもあれば、悪いときもある。それが人間なのだ。
人間関係が安定してくると、相手を俯瞰で捉えられるようになる。
「今日はA面ではなく、B面が出ているなあ(Cの面、Dの面と実際はたくさんあるのだが)」といった感じで冷静に見られれば、それほど落ち込むこともなくなる。
どんな人でも二分化できるほど、そのパーソナリティはシンプルでない。
もしあなたが初対面や会って間もない相手に「この人は、自分のすべてをわかってくれるにちがいない」と気分が高揚しやすいのなら、それは過度な理想化が起きているのかもしれない。
人間関係を長続きさせるためには、熟慮性が必要だ。
時間をかけなければ、相手を正確に理解できない。短期的に「わかった!」という錯覚を起こす人ほど、後々傷つきやすい。それはバイアスの仕業なのだろう。
相手の知らない面を見て「こんな性格だったんだ⁉」と意外に思うことは誰にだってあるはずだ。
もし、それがあなたにとってどうしても許せないことなら、もちろん相手との距離をあけたり、付き合い自体をやめるという選択もある。
ただし、それほどでもないのなら「まあ人間だから、こういう一面もあるよな~」くらいに軽く捉えるといいだろう。
他者に対して鷹揚に構え多くのことを許せるようになると、自分の短所も許せるようになるし自己受容が進む。
他者に優しくできる人は、きっと自分にも優しくできる人なのだろう。