スピリチュアル界隈でありそうな話😊いとおしきHSPスピリチュアリストあるある
まり花,HSP,共感性羞恥
「まり花」は「ゆり葉」のnoteを開き、記事が更新されていることに気付くと、強い不快感を覚えた。
「はぁっ?辞めてないじゃないの!」
ゆり葉は3月頃、noteを辞めることをほのめかしていた。
やった!やっと消える!と清々していたのに・・・。
記事が更新されていないかどうか、まり花は確認しにやって来てしまうのだった。更新がないとほっとし、自分の念力は効いているのだと信じることが出来た。ずっと続くといいのにと願ったが、「嫌な日」は直ぐにやってきた。
いちいち感傷的で、HSPや病歴すらも売りにしているように見えるゆり葉に対し、まり花は違和感を覚えていた。惚気みたいな恋愛系記事も、つらくてまともに読めなかった。
文章力もなく、女々しい感受性だけで綴られているゆり葉の文章を読むと、まり花自身が恥ずかしくなることさえあった。誤字なんて見つけたら尚更!まり花は、「共感性羞恥心」も人一倍強かったのだ。
「下手くそ過ぎて見ていられない!私は自分が文章下手だって分かっているからnoteは書いてないわ!
それに私だってHSPだけど、名乗ってない!パクリみたいで嫌だしね。名前の感じがちょっと似ているから余計むり。Twitterでは、まり花をこっそり茉莉花に修正しちゃった。でも『茉莉花』だと、今度は他の人と被るんだよね。りりかるさんの小説とか。あーもー、上手くいかない。
はぁ。もとに戻そうかな。特にゆり葉は邪魔。エナジーヴァンパイアだわ」
まり花目線の浄化で,ゆり葉は消されるのか
「そもそも、旦那の稼ぎで食べて楽々とスピリチュアルやっている主婦なんて、その時点で恵まれている。引き寄せは関係ない。お金と時間さえあれば、ネットである程度の繁栄は出来る。私は騙されない」
まり花は何かを暴いてやろうと、ランダムにゆり葉の過去記事を開く。
「・・・というか、私が書こうと思ったテーマを悉く先に書いているのも気持ち悪い。思考を盗まれているんじゃないか?でも、そんなことを人に言ったら私が精神疾患だと思われかねない。実際に私は鬱病だし、半引きこもりだし、まだnoteの記事を1つも書いていない。私が批判記事を書いたところで、誰も信じてくれないだろう。
Twitterはあるけど、別れたツインソウルが見ているかもしれないから、変なことは書きたくない。ゆり葉とはフォロワー数も違うし、何か書いても無駄なんだ。どうせ暇なんでしょ、このひと。いいよなぁ、私は時間はあるけどお金が無いんだわ」
まり花はそう思えば思うほど、憤りや屈辱感、そして無力感に苦しめられた。
神様、なぜ私がやりたかったことをこの女は趣味のようにやっているのでしょうか。主婦で在宅ワーカー、スピリチュアルセラピスト、noteでの有料記事販売、メンタルヘルスケアやHSP情報の発信、イラスト、フォト、創作、料理。
ゆり葉のnoteでの交友関係をざっと見ると、どうもアラフィフ?くらいのように見える。もう十分楽しんだでしょ。29歳、職無し、彼氏ナシの私に、そのポジションを譲ってくれまいか。
「ゆり葉のスピリチュアルは、本当に困っている人を救うスピリチュアルではない。自己満足、欺瞞の世界だ。ここから消えて下さい!」と、まり花は強力な浄化を行った。
・・・浄化と呪いは、時に紙一重だ。
ゆり葉,人間界にて
3月頃、少し体調を崩し休んでいた。
スピリチュアル業を完全にお休みし、専業主婦を久々に味わった。とは言っても、それはほんの1日程度だった。
深夜、匿名希望の方から、マガジンのご購入と同時に個人セッションへの問い合わせが入る。急遽、スピリチュアル・リーディングとヒーリングを受けたいとのこと。
偶々起きていたのでご縁を感じ、出来る範囲で返信したところ、ほんの一行、他人行儀な御礼メッセージ。
「あれ、同業者様の視察かな」
まり花,スピリチュアルな冒険
まり花は複数のアカウントを作り、ゆり葉の有料マガジンを購入していた。実は今回、3回目だ。
全て適当なニックネーム、仮登録のままだ。個人を特定されたくなかった。
金運系と恋愛系と、後はヒーリングの手法みたいな記事。効果があれば儲けものだし、あんまり効かなくても手法を知ることが出来ると思ったのだ。
「本名やメールアドレスなどは、伝わらない仕組みらしいけど本当だろうか」少しばかり不安はあった。
「でも、ちゃんとお金払って買ったんだから、手法は覚えてもいいよね」と自分に言い聞かせる。
購入し、開いてみると不覚にもワクワクしてしまう。そういえば、電話やメール鑑定の経験はあったけど、手法が明かされている記事を購入するのはゆり葉のものが初めてだ。
どれどれ。
ふうん。
何か・・・
ゆり葉って普通の人やな💦
あと、ちょっと貧乏くさいかも。無印良品が好きって、私でも行くし。
てか、これくらいのリーディング、私でも出来そうなんだが。
目を閉じる、世界に委ねる。
ヴィジョン・リーディングって、インチキか妄想かと思ってた。
そうじゃない。
ヴィジョンは作り話でも幻覚でもなかった。感じて浮かぶのだ。
ゆり葉とmail
ある日、匿名で「すみません、アンチでした。でも、最近の記事は好きです」というメールが届く。
感謝すると同時に、今後またこの方や別の方に嫌われる可能性もあるとゆり葉は知っていた。初期の頃の記事が好きで、今の記事は苦手という人もいるだろうし。
ゆり葉はふと、昔の記憶が蘇る。小学生の頃、お気に入りの漫画家さんの作風が変わってしまい、「昔の方がいい!こんな絵のほうがいいと思います」とイラスト入りの分厚い手紙を送ってしまったのだ。中学生位になり、それを思い出して赤面したことも。
自分の感覚に忠実になると、かえって戸惑うことも起きて来る。大人になると、自分が感じることを誤魔化したほうが楽になる時もある。
だけど、感じること自体には誤りもなく、ただ少し扱いかたを工夫すればいいのだろう。特にHSPさんは、適度に受け流す力も大切だ。
ゆり葉は人の心の変化を人一倍感じやすく、一喜一憂しなくてよいと分かってはいても「最近の記事は好きです」の「好き」という部分に嬉しさを隠せない凡人だった。
「わぁい嬉しいです!実は私も自分の最近の記事、好きなんです!」。そう感じていたが、ネットの交流はゆるりと行こうと決めている。感情のヴォリュームをしっとりと抑えた返信メールを、そっと送信した。ありがとうございます、励みになりますと。
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Yuriha's Secret Diary
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