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本にはいくらでも投資して良い、という持論。
喫茶店やカフェで読書をするという習慣は、誰が作ってくれたんだろうと思う。
コーヒー1杯と、読みたかった小説。
1人で過ごすことが大好きになった一つの要因でもある、喫茶店で本を読むこと。
暇さえあれば本を持って出掛けるそんな私が、最近特に良かったなと思った本を、簡単に、なるべくネタバレなしで紹介したいと思う。
『月まで三キロ』 著者 - 伊与原 新
自ら文系の道を進んでいったのにも関わらず、この小説を読んでからは理系の道にいったら良かったと思うほど、面白かった。
月や星、アンモナイト、水素など理系の話を織り交ぜながら作られた短編小説なのだが、一つひとつの話が温かく、気付けば喫茶店で泣きながら読んでいる痛めの客となっていたのだ。
代表作「月まで三キロ」の舞台となった、静岡県浜松市にある「月」の道路案内板をわざわざ見に行くほど、かなり印象深く、お気に入りの小説である。
『傲慢と善良』 著者 - 辻村 深月
人のことを無意識のうちに卑下したり、
自己肯定感は低いくせに理想は高かったり、
勝手に人に期待をして、裏切られたと思ってショックを受けたりする。
そんな主人公なのだが、あまりにも心当たりがありすぎて「もうやめてくれ」と思いながら読んでいた。
向き合おうとしていなかった、自分の"負"の部分と向き合うきっかけをくれた、忘れられない小説の一つである。
多分、今よりもさらに拗らせていた中学、高校生の時に読んでいたら立ち直れなかっただろうから、当時に読んでいなくて良かったと思う。
『夜のピクニック』 著者 - 恩田 陸
この小説の表紙を見るだけで、胸がギュッと苦しくなる(もちろん良い意味で)くらい、かなり好きな小説である。
私も、高校生の時に友だちと一緒に1日かけて80キロを歩いていたら、何か特別な感情を得れたのかなと思うと、羨ましくてたまらなくなった。
この小説を読むと、擬似青春体験が出来るからもう一度高校生に戻りたいと思う人にかなりおすすめである。
『ははのれんあい』 著者 -窪 美澄
自分と境遇が似ており、私の母も、私を産み育てる時、想像も出来ないくらいの苦労してきたのだろうと思うと涙無しでは見れなかった。
母にたくさん迷惑や苦労をかけてきた分、とにかく幸せになって欲しいと思うばかりである。
『正欲』 著者 - 朝井 リョウ
読み終わった後、『正欲』というタイトルがあまりにもしっくり来て、しばらく余韻が残る小説であった。
自分に出来ることはなんだろう、とずっと考えていて、結局、人前で"多様性"についてあまり軽々しく発言するのを辞めることくらいしか思い付かなかった。
こんな物語や文章を思い付く朝井リョウさんはやはり偉大だし、小説家ってすごい!と小学生並みの感想しか言えない自分の語彙力にも絶望する。
以上が、最近読んだ小説の中で、特にお気に入りだった小説である。
本にはいくらでも投資して良い、というのが私の持論なので、皆さんのお気に入りの小説があれば私にも共有していただけると、幸いです。